文●ハッチ

2023年12月にレノボは同社としては初のゲーム機型PC「Legion Go」を発売した。ゲーム機型PCは、GPD社がGPD WINを発売して以来、中国・深センのデベロッパー企業を中心にラインアップが増え、世界最大級のPCゲームプラットフォームSteamの運営で知られるValve社がSteam Deckを東京ゲームショウで展示してから、国内での認知が広がった。
その後、大手のグローバルメーカーとしては初となるASUSのROG Allyが発売され、当時としてはコスパも良いとして注目を集めて大きく売り上げを伸ばした。「Legion Go」は大手メーカーとしてはASUSに次いで発売されたゲーム機型PCで、One-Netbook社のONEXPLAER 2と同じく両端にあるコントローラーが着脱できるタイプの製品となっている。
発売して大分経過した製品ではあるが、ここに来てアクセサリー類をいくつか追加してきている。そして、やや価格も下がっている。そのため、レノボに実際に機材を借りる機会を得たので、本機がどういった製品であるのかを改めて確認していきたい。
8.8インチと画面は大きめで視認性は高め
Legion Goは8.8インチ(2560×1600ドット)ディスプレイを搭載したゲーム機型PCだ。CPUはROG Allyと同じ、AMDのハンドヘルド向けCPU「Ryzen Z1 Extreme」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz)を採用している。メモリは16GB(LPDDR5X-7500)、ストレージが512GB SSD(PCIe 4.0)と現行機としては及第点な構成になっている。
ゲーム機型PCは広義のハンドヘルドPC、小型で手に持って使うハンディータイプのPCではあるが、ラインアップが増えたことで、サイズや使い勝手はいくつかに分類されると、筆者は考えている。初期のGPD WINはディスプレイサイズが5.5インチと本当に小さく・軽い。
形状こそ異なるが、それに近いサイズ感と軽さを有ししているのは、AYANEO AIRのような400gを切る製品だ。その代わり、ディスプレイサイズが小さく・軽い製品は、その分文字の視認性やバッテリー容量が乏しい。
一方で、ROG AllyやMSIのClaw A1Mのような7インチディスプレイを搭載した製品は、現行のスタンダードスタイルで、性能に加え視認性とバッテリー容量もある程度確保しつつ、600g台と携帯ゲーム機として許容できる重量に収まっている。
しかし、Legion Goはさらにその上の8.8インチと画面が大きく、約854gと常に手に持って使うには、やや辛い重量になっている。この手の製品は、より高い視認性としっかりとした手触りが重視され、長時間プレイはディスプレイやテレビと接続して行うことが推奨される。
ノートPCで言えば、5.5インチは11インチクラスの小型ノートPC、7インチが13インチの一般的なモバイルノートPC、8インチ以上は15.6インチ以上の宅内需要のノートPCと、いったところだろうか。宅内で持ち運んで、たまにはソファーで寝そべって1時間くらい遊ぶには十分なモバイル性は持っているが、常にカバンに忍ばせておくには向かない。
実際にディスプレイサイズが8インチと近い「PlayStation Portal リモートプレーヤー」と比較してみたが、幅はややLegion Goの方が狭いものの、CPUやストレージなどを冷却する機構がある分、ディスプレイ部の奥行がある。また、重量は530gほどの「PlayStation Portal リモートプレーヤー」よりも重い。


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