3DMarkでは現行の最新機種に勝る性能を見せた
では、気になる性能を簡単にチェックしていきたい。まずはGPU性能を計測する定番のベンチマークソフト「3DMark」のスコアを見ていきたい。すべての測定は、「最適なパフォーマンス」に設定して計測している。

3DMarkでは、7月に発売されたばかりのASUSの後継機ROG Ally Xよりも若干勝っている。Legion Goのメモリクロックは、ROG Ally Xと同じくLPDDR5X-7500で、初代ROG Allyが採用していたLPDDR5-6400よりもクロックが若干高い。
メモリ容量は初代ROG Allyと同じく16GBで、ROG Ally Xの24GBよりは少ないが、CPUの個体差か筐体が大きく、エアフロ―で若干勝っているのか、そうした要因で誤差レベルの差が生まれたと思われる。
とはいえ、お借りして計測した試遊機の中では、現行最高クラスの性能を有しているとも言える。
今度は実ゲームのフレームレートを計測し、ゲームプレイの快適性を確認したい。まずは根強い人気の『Apex Legends』のフレームレートをCapFrameXにて測定した。『Apex Legends』は画質のプリセットがないため、デフォルト設定にしたうえで計測した。最小は99パーセンタイルの値を参照、以降いずれのゲームも垂直同期はオフにしている。

『Apex Legends』は1280×720ドットのHD画質であれば平均100fpsを超え、かなり快適に動作している。フルHDでも平均63.6fps、最小も38.3fpsと30fpsを優に超えている。FPSには120fps以上の高フレームレートを求める人にとっては物足りないと思うが、ゲーム機型PCとして考えれば、かなり高い数値を示している。
8.8インチとゲーム機型PCとしては広い画面サイズではあるが、24インチ以上の一般的なディスプレイよりも小型なため、HD画質でも画面の粗は気になり辛い。カジュアルに遊ぶのには60fps以上あれば良いというのであれば、十分に遊べる性能と言えるだろう。
次に、『原神』より後発で、PC版はやや重いアクションRPGの『鳴潮』にてフレームレートを計測した。画質は「極低」にしてCapFrameXにて計測している。

『鳴潮』は対応スペック条件を満たしていないと60fpsまでしか設定できなかった。8月16日のアップデートで修正されたが、筆者が計測を実施していたのはそれよりも前なので、Legion Goがその条件を満たしているかは不明だ。
しかしながら、筆者が計測した際は、HD画質でようやく59.7fpsと60fpsを超えそうな数値を示しているが、フルHDになると平均こそ51.6fpsとそこそこ高いが、最小が17.6fpsとガクッとフレームレートが落ちている。
ゲームプレイ中に表示していたフレームレート表記を目視で確認した限り、60fpsを超えてはいないので、最大値は除外して考えてよいと思うが、フルHD以上の高解像度では、数値の幅が広く安定していなさそうだ。
体感的にはフルHDでも良さそうだが、WQHDは明らかに画面がカク付くことがあったので、解像度は低めにしておいた方が無難だろう。
ドッキングステーションなどアクセサリー製品を発表
レノボは8月27日、Legion Goのアクセサリー製品群を発表し、Legionエコシステムを拡張した。発表された製品は、2機種のディスプレイと、USB TYpe-C接続のドッキングステーション、充電コネクター、専用キャリーケース、ジョイスティックおよびジョイスティックキャップ、Bluetoothミニキーボードになる。
ディスプレイは27インチの「Lenovo Legion R27qc-30」(価格2万9800円)と、31.5インチの「Lenovo Legion R32qc-30」(価格3万9820円)で、いずれも1500R曲面パネルを採用し、最大180Hzのリフレッシュレート、0.5ms(MPRT)の応答時間を備える。


Lenovo Legion Go USB-C Dockは、USB Type-C接続のドッキングステーション。Legion Goが取り付けられるスリットがあり、正面には「LEGION」の文字がある、シンプルでスタイリッシュなデザイン。直販価格は8800円。

充電のみ対応するUSB Type-Cとは別にUSB 3.2 Gen 1 Type-C(5V/1.5A)ポートが1基あり、USB 3.2 Gen 1 Type-Aポート×2、HDMI 2.0、Legion Go接続用のパワープラグ(PD最大65W)を備える。
そのほかの充電コネクターや専用キャリーケース、ジョイスティックおよびジョイスティックキャップ、Bluetoothミニキーボードは、国内発売時期と価格が未定となっている。
GPU性能は現行のゲーム機型PCとしては最高クラス!宅内需要向き
Legion Goは大手のグローバルメーカーとしてはROG Allyに次ぐ早さで発売されたゲーム機型PCで、可搬性こそ7インチ以下のROG Allyなどに劣るが、しっかりとした冷却性能を有しているのか、検証機で測定した限りでは、同じ「Ryzen Z1 Extreme」を搭載した、他モデルにもベンチマークソフトによっては高い性能を発揮し、現行機としては十分な性能を有している。
また、唯一無二の機能としてFPSモードを有し、机上に置いてマウス操作に似た操作で直感的なエイミングが必要なゲームで活用できるユニークな機能を持っている。
キーボードこそないが、Steam Deckのようなタッチパッドを備え、ゲーム以外でのマウスカーソル操作も快適に行なえる。余談だがタッチパッドは、Steam Deck以外だと近日発売が予定されているZOTACの「GAMING ZONE」が有しているが珍しい。
遅ればせながらアクセサリー製品群も登場していることは、既に所持している人や、中古やセール品を狙っている人にも朗報だ。しかしながら、来年2025年の初頭には、Zen 5とRDNA 3.5アーキテクチャを採用したRyzen Z1 Extremeの後継機にあたる「Ryzen Z2 Extreme」が登場するという話もあがってきている。よりバッテリーの効率化とパフォーマンスの向上が見込まれるので、それを待つのも1つの手だ。
しかしながら、One-Netbook社のeGPUボックス「ONEXGPU」にRyzen Z1 Extreme搭載モデル向け専用ドライバが提供され、Legion Goの飛躍的な性能向上も可能とされているので、そういった周辺機器も視野に入れるなら性能的にも悪くない。
また、9月末までに購入すると先着250名に前述したドッキングステーションが貰えるキャンペーンも実施している。いろいろ悩みどころもあるが、買うなら今月中なる早の決断が良さそうだ。
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