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『SILENT HILL 2』のリメイク版も最高傑作だった!再構築された思い出に感動

文●いちえもん 編集●ハッチ

 「SILENT HILL(サイレントヒル)」シリーズは、同名の街を舞台にしたサイコロジカルホラーゲームだ。濃い霧に包まれたゴーストタウン、不気味なクリーチャー、不条理極まりない裏世界。本作ならではの恐怖と美しさに惹かれた筆者は、すっかり「SILENT HILL」の虜になった。

 では「SILENT HILL」シリーズの中で好きなタイトルは何か?と問われたら、筆者は2001年に発売されたシリーズ第2弾の『SILENT HILL 2』を挙げる。迷うことなく、即答で。人間の闇を突き詰めた重厚なストーリーと不気味なクリーチャーが筆者の心に焼き付いていて、ゲームの枠を超えた芸術作品として『SILENT HILL 2』を高く評価している。

 令和の時代を迎えてから、『SILENT HILL 2』のリメイク版が登場した。2024年10月8日に販売されたリメイク版は、海外のレビューまとめサイト「メタスコア」にて平均87点のスコアを獲得(10月8日時点)。加えて、PCゲームの販売プラットフォーム「Steam」の評価は、最上位である「圧倒的に好評」を獲得している(10月8日時点)。執筆時点で、リメイク版は国内外で大絶賛されているといった状況だ。
 
 本記事では、リメイク版『SILENT HILL 2』のプレイレビューをお届けする。ネタバレに該当する話は一切しないので、安心して最後まで読んでみてほしい。

23年前の”思い出”が劇的に進化

 過去の傾向として、リメイク作品は賛否が分かれやすいと筆者は考えている。特に、リメイクの対象が思い出深い作品であればあるほど消極的になってしまいがちだ。とはいえ、現代のグラフィックスで『SILENT HILL 2』をリメイクするという試みは気になっていた。「やってみないとわからない」の精神で、筆者は本作の発売をずっと待ち続けていた。

 一抹の不安を抱えながらリメイク版を試遊してみたところ、予想を上回るクオリティで驚いてしまった。最初に抱いていた不安がきれいに払拭され、新しくよみがえったリメイク版に強い好感を抱くこととなった。

Unreal Engine 5で構築され、美しくよみがえった『SILENT HILL 2』

 最初に驚いたのは、一新されたビジュアル面だ。美麗なグラフィックスはもちろん、実在の俳優を起用したキャラクターモデリングなど、リアルを追及したビジュアルに圧倒された。オリジナル版がベースになっているとはいえ、リメイクの完成度が高すぎるあまり、目に映る物すべてが新鮮に感じられるのだ。

最新のフェイシャルモーションキャプチャにより、人間味が増したキャラクターモデリング。嫌そうな表情がリアル

 特に「SILENT HILL」シリーズを象徴する「霧」と「ゴーストタウン」に心を奪われてしまった。街全体に広がる陰鬱とした雰囲気はリアルに仕上がっていて、現実世界と見間違えてしまうほど。霧に映し出される影の描写や、揺らめく霧の表現はオリジナル版よりも現実味があると感じた。次世代のゲームエンジン「Unreal Engine 5」による功績が大きいだろう。

濃霧に包まれたゴーストタウン。懐かしい……

 また、アパートや公園、病院、裏世界といった馴染みのあるロケーションも一新。オリジナル版の面影も残ってはいるものの、建物内の構造と内装はほぼ調整されていた。内部が様変わりしているため、「SILENT HILL」シリーズの新作をプレイしているような気分で楽しめた。「新しいマップを覚える」という探索型ホラーゲームの醍醐味を、新鮮な気持ちで体験できるのは非常にありがたかった。

誰もいないアパート。懐中電灯を頼りに闇に包まれた廊下を歩くのが怖い
不気味さが際立つ病院。死を連想させる場所に、何かがいる……。もはやお化け屋敷だ

探索できる範囲が広くなった

 ここで特筆すべきは、探索要素が増えたことだ。リメイク版には新しいロケーションがいくつか追加されていて、探索できる範囲がオリジナル版よりも広くなっているのだ。探索範囲が拡張された点もまた、リメイク版の強みと言えるだろう。そのおかげなのか、筆者は「SILENT HILL」の街をもっともっと探索してみたいという気持ちに駆られた。

リメイク版で追加されたカフェ。廃れた雰囲気が漂っているけれども妙に美しい

回避などが追加され緊張感ある戦闘が楽しめた

 リメイク版をプレイしてもうひとつ驚いたのは、ゲームシステム。オリジナル版を踏襲しつつも、現代的にアレンジされたゲームシステムもリメイク版の特徴だ。その例が、「肩越し視点の採用」「謎解き要素の一新」「アクション性が強化された戦闘システム」の3点。

肩越し視点を採用。キャラクターを中心に360度視点を操作できるようになった
謎解き要素も一新。ほとんどは新規だが、オリジナル版のパズルを踏襲したものもある
回避行動が追加された戦闘システム。クリーチャーの攻撃をかわしてカウンター攻撃をするなど、アクション性が増した

 その中でも個人的に良かったのは戦闘システムだ。オリジナル版は先手必勝でどうにか乗り越えられたが、リメイク版は相手の攻撃を回避しながら戦わなければならない(銃を使えば回避する必要はないが)。アクション性が高まったため、筆者は手汗がびっしょり流れ出るほどの緊張感に襲われたものだ。スリルたっぷりの戦闘システムは、リメイク版でしか味わえない面白さと言えるだろう。

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