文●ハッチ
AMDは「Computex 2024」に先駆けて実施した基調講演にて、AIに特化したRyzen AIプロセッサ(Ryzen AI)「Ryzen AI 300」シリーズを発表した。近年、AI処理に必要なNPUを搭載した高性能なノートPCを「AI PC」と称し、そのAI PCを冠した製品が登場してきている。

AMDも現行のプロセッサにNPUを搭載するが、Ryzen 7040シリーズが10TOPs、Ryzen 8040シリーズが16TOPsのところ、同社の次世代CPUを搭載する第3世代のRyzen AIは、50TOPsという高い性能を実現しているという。
※TOPs(teraOPS)とはCPU処理速度を表す単位の1つ。この数値が高いほど高いAI処理性能を有する

今年5月20日にMicrosoftは記者会見を開催し、ローカルAIアプリケーションが実行できる「Copilot+ PC」を発表した。「Copilot+ PC」とは、Microsoftが提唱する新たなAI体験を実現できる性能を持つAI PCの総称で、Qualcommがローンチパートナーとなっている。
Qualcommは、これまでスマートフォン向けSoCを数多く提供。幾度となくWindows PC向けのCPU開発について言及し、ついにSnapdragon X Elite/Plusというプロセッサ搭載PCを、各グローバルPCメーカーから発売することを発表した。
Copilot+ PCの条件は40TOPs以上となっていて、Snapdragon X Elite/Plus搭載PCのみが、これまでその条件を満たしていたが、AMDがそれに追従した形だ。今後、Copilot+ PCの認証を得たRyzen AI搭載PCが登場する。
今回の発表に伴いAMDは、AI用最新プロセッサとして「AMD Ryzen AI 300」シリーズの情報を公開した。本シリーズにはRyzen AI 9 HX 370と、Ryzen AI 9 365と2つのラインアップがある。

Ryzen AI 9 HX 370は12コア/24スレッドで、動作クロックが最大5.1GHz。36MBキャッシュに50TOPsのNPU、内蔵GPUはRadeon 890M。
Ryzen AI 9 365は10コア/20スレッド、最大5.0GHz。34MBキャッシュに50TOPsのNPU。内蔵GPUとしてRadeon 880Mを備える。


同社は2024年には150以上のアプリやサービスでRyzen AIが活用できるとしている。さらに、同社はRyzen AIはゲームのレンダリングにも活用でき、ゲームのパフォーマンスも向上するとアピールした。

以下は競合プロセッサとの実性能比較や、ゲーミング性能の比較。




そのうえで、AMDは各パートナーのPCメーカーから最新Ryzen AIを搭載したCopilot+ PCや、AI PCが登場するとしている。


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