文●ハッチ

2月末にスペイン・バルセロナで行なわれた世界最大級モバイル展示会MWC 2024にて、中国のモバイル機器メーカーTechno MobileがARグラス型のハンドヘルドPC「Pocket Go」を発表し、話題となった。
ハンドヘルドPCとは、小型が持ち運びができるPCの総称で、Steam DeckやROG Allyで注目を集めたコントローラー機能を持ったゲーム機型PCも、ハンドヘルドPCに属する。
しかしながら、Pocket Goはそんなゲーム機型PCのようにディスプレイを持たず、やや大きめのコントローラーが本体で、ディスプレイはARグラスになった、今までにない構成になっている。近年は、XREAL AirなどのARグラスをPCやゲーム機に接続して、ARグラス内の大画面でゲームをプレイする、といった楽しみ方もあるが、Pocket GoはPCもセットになった新しいプロダクトと言える。
さっそく、同社のHPに情報が公開されていたので確認したところ、CPUはAMDの最新モバイルプロセッサ「Ryzen 7 8840HS」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz)を搭載。Ryzen 7 8840HSは、Ryzen 8040シリーズの上から3番目に高い性能を誇るCPUでZen 4コアを採用し、GPUはRDNA 3のRadeon 780M、TDPが28Wとなっている。

メモリーはLPDDR5の16GB、ストレージに1TB SSDを搭載する。バッテリーは50WhでROG Allyの40Whよりも多いが、ONEXPLAYER 2 Proの65.5Whよりも少ない。Ryzen 7 8840HSの消費電力は、より向上していると思うが、大体現行のゲーム機型PCと同じくらいの駆動時間と考えて良さそうだ。
ARグラスは0~600度の視度調整があり、DisplayPortのないスマートフォンとの互換性もあるとしている。おそらくUSB Type-CでXREAL Airなどと同じようにゲーム機にも接続できるのだろう。このARグラスでは、6m離れた距離に215インチの大画面が表示され、ゲームが楽しめるとしている。
まだ、公式サイトにもスペックが記載されている程度で、発売日や販売する国などの記載はない。日本での発売は低いと思われるが、その売れ行きや話題によっては、日本国内でスマートフォンやPCを展開している、大手グローバルメーカーが同じようなコンセプトのPCを発売する可能性もあり、今後の動向に注目したい。