文●いちえもん 編集●ハッチ

2025年4月24日に発売された『Clair Obscur: Expedition 33(以下、Expedition 33)』は、発売後12日で売上200万本を突破したうえ、高い評価を得ている。本作はフランスのインディースタジオ「Sandfall Interactive」が手がけたリアクティブターンベースのRPG。海外のレビュー収集サイト「Metacritic」のスコアは10点中9.7点、Steamの総合評価は「非常に好評」と、国内外で高評価を博している。
本稿では、Expedition 33の魅力を掘り下げつつ、AMD「Radeon RX 9070 XT」で遊んだ際のゲームベンチも紹介していきたい。話題沸騰中の本作をPCで遊びたい人は、本稿を最後まで読んでみてほしい。
美しさと儚さが融合した独特の世界に惚れる
Expedition 33の舞台は、幻想的な雰囲気が漂う近代のフランス。「ルミエール」で暮らす人類は、「ペイントレス」と呼ばれる女性の呪いに長年苦しめられていた。彼女が年に一度描く数字は、抹消される人間の年齢を意味している。呪いの数字が更新されると、数字に該当する人間はこの世から抹消されるのだ。


呪いの連鎖を断ち切るべく、残された人類は「遠征隊(Expedition)」を結成する。ペイントレスがいる「モノリス」に上陸し呪いの根源を絶やす、つまりペイントレスを討伐するためだ。プレイヤーは「第33遠征隊(Expedition 33)」のメンバーとして、ペイントレス討伐の旅に出ることになる。


本作をプレイして最初に驚いたのは、目を奪われる美麗なグラフィックだ。本作は、19世紀末から第一次世界大戦勃発までの「ベル・エポック」期から着想を得ているという。華やかで虚ろな幻想世界には芸術的な美しさが秘められており、開始早々に魅了されてしまった。精巧に描かれた世界を隅々まで探索したくなったほどだ。

ゲームエンジン「Unreal Engine 5」で描かれた独特の世界は目を見張るものがある。本作に登場するステージやクリーチャー、フィールドマップは唯一無二の美で彩られており、名画を鑑賞したような感動を味わえた。
加えて、第33遠征隊のメンバーやモノリスの住民たちとのコミュニケーションも印象に残っている。
余命を宣告されたメンバーたちが呪いに抗う様はあまりに切なく、会話を聞くだけで胸を強く締め付けられる。だが、謎多きストーリーも相まって、彼らの冒険を最後まで見届けたい気持ちが芽生えた。感情を揺れ動かすストーリーにも注目してほしい。



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