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「SCARZ」eモータースポーツ部門の事業戦略発表会レポート!「eモータースポーツの魅力の作り手になりたい」

文●いちえもん 編集●ハッチ

「RED° TOKYO TOWER」にて「SCARZ eモータースポーツ 戦略発表会」が開催された

 XENOZ(ゼノス)は4月25日、東京タワーフットタウン内にある国内最大級のeスポーツ施設「RED° TOKYO TOWER」にて「SCARZ eモータースポーツ 戦略発表会」を開催。同社が運営するeスポーツチーム「SCARZ」の事業戦略や今後開催されるイベントを発表した。

 本稿では、SCARZ eモータースポーツ 戦略発表会のレポートをお届けしたい。

eモータースポーツの体験会も開催された

eモータースポーツの体験会も開催された

 第1部のプレゼンテーションは、SCARZ 代表/XENOZ 代表取締役社長の友利 洋一氏が担当。友利氏によれば、eスポーツチームの事業戦略を公の場で発表するのはあまりないことだという。「今日来てくださった方々はめちゃくちゃレアだと思います」と、本イベントが貴重であることを強調するほどだ。

SCARZ 代表/XENOZ 代表取締役社長の友利 洋一氏が登壇

 XENOZが運営するSCARZは、2012年からホームタウンの川崎で活動しているeスポーツチーム。国内外の大会で数多くの実績を残し、現在は日本を代表するチームとして広く知られている。

 2015年にプロeスポーツチームに昇格するまでの間、アマチュアチームとして活動していたSCARZ。日本発のチームとして世界に勝ちたい一心で活動をしていたが、練習時間やサポート面を強化すべくXENOZを設立。法人化のみならず、練習に適したゲーミングハウスの設立、海外選手のアスリートビザの獲得などを次々と実現し、プロeスポーツチームとして成長を遂げた。

XENOZの会社概要
2012年に設立されたSCARZは、国内外の大会に出場するeスポーツチーム
SCARZの優勝回数は日本で一番多いという

 同チームは「レインボーシックス シージ」や「第五人格(IdentityV)」「VALORANT」「大乱闘スマッシュブラザーズ(SUPER SUMASH BROS.)」といった部門を構えている。今回の目玉は、レースゲーム「グランツーリスモ」をメインにして活動するeモータースポーツ部門「KANTOモータースクールSCARZ」だ。

 eモータースポーツ部門を立ち上げたことによる効果として、「リアル寄りのモータースポーツを取り入れることでチームの幅が広がる」「車ファン・レースファンを巻き込むことで異業種コラボの幅が広がる」を挙げた。チームとコミュニティの拡大を期待できる旨をアピールするとともに、「SCARZ=eスポーツの総合型チーム」を目指したいと友利氏。

SCARZをeスポーツの総合型チームにしたいと語る友利氏
誰でもeスポーツの夢を掴めるよう、グランツーリスモ完結型にしている

 SCARZのモットーは「KEEP IT REAL(本物で在り続けろ)」。KEEP IT REALには「自分に嘘をつかずに夢を目指そう、なおかつ本物のプロのように」というメッセージが込められているそうだ。

 これらのモットーを土台に、2025年の目標として「社内のクリエイティブチームを最大限活用する」「WOWの増加によるインパクトアップ」「選手を強くする土台作り」を掲げた。

2025年の目標はコンテンツ力アップ、インパクトアップ、選手を強くする土台づくりを挙げた

 チーム全体でアスリートの価値を創出するとともに、彼らの活動を支えるためにSCARZを立ち上げたと友利氏。最後に3つのキーワードを交えて、「eスポーツをアスリートへ昇華させ(KEEP IT REAL)、チームで挑戦する姿を通じて(NEW AREA)、世界に共感や感動を届ける存在(日本から世界に)に」といった将来のビジョンを熱く語っていた。

 「道のりはまだ長いですが、応援を含めてSCARZを見守っていただければと思います」と友利氏は述べ、プレゼンテーションを締めた。

後藤氏が語る、SCARZとグランツーリスモの出会い

 第2部のプレゼンテーションは、XENOZ執行役員の金濱 壮史氏と後藤 優介氏(Goto選手)が担当。「KANTOモータースクールSCARZのあゆみ」のテーマで同部門の概要を語った。

XENOZ執行役員の金濱 壮史氏
KANTOモータースクールSCARZの後藤 優介氏(Goto選手)

 2023年に設立されたKANTOモータースクールSCARZは、世界レベルのアスリートが多く所属するeモータースポーツチーム。オリンピック eスポーツシリーズの出場や世界大会「グランツーリスモ ワールドシリーズ」の優勝など、優れた実績を持っている。

KANTOモータースクールSCARZの概要説明
2023年の設立から現在に至るまでの功績をたどる

 後藤氏は、TakuAn選手との出会いやeモータースポーツ部門に加入するまでの歴史を語ってくれた。後藤氏とTakuAn選手はともに、最初はラジコンのプロ選手だった。その後、2020年のコロナ禍によりeモータースポーツに転向した2人は、グランツーリスモに出会い、そしてSCARZに加入したという。

後藤氏とTakuAn選手のヒストリーはラジコンが始まりだったという

 後藤氏とTakuAn選手がeモータースポーツに転向した理由について語る場面もあった。ラジコンとeモータースポーツは、運転時に横Gと縦Gを感じないので想像で補う必要がある(G=重力)。そういった共通点があるためか、2人は比較的スムーズにeモータースポーツに順応できたとのこと。

後藤氏はeモータースポーツに転向する前は、ラジコンのプロ選手だった

誰でも夢に挑めるeモータースポーツの魅力を発信

 第3部は、KANTOモータースクールSCARZの戦略事業に関するプレゼンテーションだ。

SCARZのeモータースポーツ事業の戦略について語る金濱氏

 近年のeスポーツシーンはFPSや格闘ゲームのジャンルが人気を博している。人気のジャンルは、SNSや配信を通してコミュニティが盛り上がる傾向にあるという。しかしeモータースポーツの場合、SNSや配信だけではポテンシャルを活かしきれないと金濱氏は語っていた。

 eモータースポーツが現状抱えている悩みは、「eスポーツの中でもコミュニティが小さい」と「モータースポーツの下位互換と認識されがち」であること。そのような背景があるなか、SCARZはeモータースポーツが誰でも挑戦できるコンテンツであることを証明すべく、魅力づくりに注力していくという。

「なぜやるのか」「なにをやるのか」「プロジェクト発表」の流れで進行
eモータースポーツが抱えている二重苦が悩みの種だという
eモータースポーツの大会は賞金がないうえに配信も少ないという
スピードや迫力などにおいてはF1のほうが上手だが、誰でも挑戦できる点においてはeモータースポーツに軍配が上がる
SCARZはeモータースポーツの魅力の作り手を目指している
eモータースポーツは日本の社会課題解決につながるのではと金濱氏

 eモータースポーツ事業を盛り上げるうえで、SCARZが13年築いてきたチーム、ファン、スポンサーの循環モデルを活かすことが不可欠であると金濱氏。デジタルとリアルを融合させたイベントをはじめ、スポンサーソリューションといった強みがポイントだという。

SCARZが設立してから13年で築いた循環サイクルを、eモータースポーツ事業に活かす
コミュニティ確保が目的のイベント施策
スポンサーソリューションにも力を入れている

 SCARZのeモータースポーツ事業は、KANTOモータースクールSCARZとSCARZ Racingの2ブランドで成り立っている。チームを強化しつつ、eモータースポーツの窓口を広げられるイベント・コンテンツを実施していくという。

 楽しむ、体験、挑戦、育成、プロ進出、セカンドキャリアといったロードマップがあり、誰でもeモータースポーツの世界に参入できる環境を整えていくとのこと。

2大ブランド戦略を語る金濱氏
現在計画しているSCARZ Racingの新コンテンツは4つ
セカンドキャリアも充実しているという

 また、今後実施予定のプロジェクトである、KANTOモータースクールSCARZ初となる公式大会やeモータースポーツの体験イベント、オリジナルグッズを発表した。

 最後に、2名の選手がKANTOモータースクールSCARZに加入したことを明らかにした。國分 良太選手は2019年の「グランツーリスモ ワールドシリーズ」の世界優勝経験者で、山本 英弥選手は2024年国体6位の実績を持つ。

 あわせて、後藤氏を含む3名のアスリートが、今年6月7日の「グランツーリスモワールドシリーズ ロンドン大会」に出場すると発表。発表時、会場から盛大な拍手が湧き起こった。

KANTOモータースクールSCARZに2名のアスリートが加入

 後藤氏は「昨年のワールドシリーズに出場したものの、自分の実力を発揮できませんでした。今年は全力を尽くしてリベンジしたいと思います!」と意気込みを語り、プレゼンテーションを締めた。

 そのほか、SCARZのスポンサーであるKANTOモータースクールの代表取締役社長・中村 象氏のスピーチと、RED°TOKYO TOWERの概要説明も行われた。

SCARZのスポンサーであるKANTOモータースクールの代表取締役社長・中村 象氏が登壇
RED°TOKYO TOWERに関するプレゼンテーションも行われた

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