文●ハッチ

2025年3月7日、AMDのRDNA 4アーキテクチャ初のGPU、Radeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070が発売された。それに伴い、各PCパーツメーカーがが搭載ビデオカードを発売した。なかでもASRockはTaichi、Steel Legend、Challengerと3シリーズで製品を展開。
Steel Legendは未だ根強く人気の白で統一したPC自作の定番となりつつある、ホワイトカラーが特徴のシリーズだが、4月初旬にはSteel Legend Darkという、ブラックモデルも発表した。

そこで、今回はASRockの原口有司氏に、改めて各シリーズの立ち位置や、どのモデルがどういった人にオススメなのかをお聞きした。
性能はリファレンス以上!ワンポイントで光るデザインを採用したChallenger
編集部:本日はよろしくお願い致します。さっそくですが、Radeon RX 9070を搭載した、御社の各シリーズの特徴と、それぞれどういった人向けなのかを教えて頂けますでしょうか。
原口氏:そうですね、ではまずはChallengerシリーズから。このシリーズは本当に最新のGPUを搭載した製品を手ごろな価格で手に入れたい人向けです。Challengerは、各シリーズの中でも安価な部類ではありますが、リファレンスよりはパフォーマンスがあります。
元々、ASRockが持っている半導体を上手く動作させる技術などが、トップダウンでふんだんに盛り込まれていて、コストパフォーマンスに優れた仕上がりとなっています。
編集部:デザイン面などでの特徴はありますか?
原口氏:これまで、Challengerシリーズは光らない製品が多かったのですが、ワンポイントのラインが光るようになっています。

編集部:現状は3連ファンモデルのみですが、2連ファンなどのより小型なモデルの登場予定はありますか?
原口氏:必要に応じて、今は3連ファンにしていますが、GPUの発熱やフェーズ数によってはデュアルファンのモデルで小さくして、DesKMeetなどで最適に使えるようなポジションのモデルも今後出て来る可能性はあります。

編集部:メタルプレートのデザインでのコダワリなどはありますか?
原口氏:Challengerシリーズは(ほかのパーツの)デザインを邪魔しないようにとは聞いています。もちろん、マザーボードもASRock製品を使って貰えるとありがたいですが、既存のシステムからビデオカードだけ変える人もいると思います。
そうした場合、あまり派手だったり、個性的過ぎたりすると、パソコン全体の個性が薄れてしまうので、そうならないデザインを心掛けています。そのため、ASRockという文字より、AMDやRadeonといった文字の方が目立つようなデザインになっているのです。

編集部:メタルプレートは上位モデルと同じように、一部エアフロ―を意識した切り抜かれた部分がありますね。
原口氏:そうですね、やはり風が抜ける方が排熱効率は高くなります。昨今、他のメーカーさんも同じですが、電源回路の1フェーズあたりの性能がすごく上がってきています。そのため、基盤を小さくできて、スペースが空いています。
その分ヒートシンクを長くして、エアフロ―で風を抜く方が、GPUの温度を安定させることができるので、より高いブーストクロックで動作させられます。また、環境温度にもよりますが、決まった値よりも高い値で動作できることは確認できているので、こういった設計の方がビデオカードにとってはメリットがあります。
あと、ヒートシンクが大きくなっている分、ケース内にエアフローがあると、ある程度冷えてくれるのが大きいです。最近はピラーレスケースだと、底面側にファンが付いていて、その自然の気流で割とビデオカードが冷えてくれるので、100%負荷を掛けていても、50度台前半で動作できています。
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