文●いちえもん

THQ Nordicの『Gothic』シリーズは、ドイツに拠点を置く「Piranha Bytes」が開発したファンタジー・オープンワールドRPGだ。2001年に発売された第1作は2000年代を代表するオープンワールドRPGとして高評価を獲得。その後はナンバリングタイトルが続々と発売された。
2019年に、シリーズ第1作のフルリメイク版である『Gothic 1 Remake』が発表(開発元はAlkimia Interactive)。2025年2月開催の「Steam Next フェス」にて、Gothic 1 Remakeの無料体験版である『Nyras Prologue』が期間限定で配信された(執筆時点では配信終了)。本稿では、Nyras Prologueのプレイレポをお届けしたい。
『Gothic 1 Remake』のプロローグを体験
Gothicの第1作は、オーク軍の侵略に抗おうとしている「ミルタナ王国」が舞台。強力な兵器を作るには魔法を帯びた鉱石が必要だった。そこでミルタナ王国のローバー2世は、囚人たちを利用して魔法の鉱石が眠る「コリニス鉱山」を稼働させる。
鉱夫として働く囚人が脱走しないよう、鉱山地帯に魔法の結界を張るが、内部で反乱が発生。その結果、囚人たちが支配する巨大な監獄「コロニー」と化してしまった。
本作は、自由度の高いオープンワールドや個性豊かなNPC、分岐するストーリー、多種多様な敵との戦いなどが特徴。プレイヤーは鉱山で働く囚人の1人となって、コロニー内の各勢力と関わりながら、結界からの脱出を目指すことになる。

Nyras Prologueでは、体験版独自のストーリーを体験できる。主人公は、コロニーに収監されたばかりの囚人「Nyras(ナイラス)」。コロニーに収監された初日、男から「ここはオールドキャンプが支配するエリアだ。
お前はオールドキャンプじゃないから、寝床は自分で探してくれ。クリーチャーがいるから気をつけろ」と言われ、Nyrasは寝床を探すことに。このエリアは「オールドキャンプ」と呼ばれる勢力のエリアのようだ。
Nyrasと同様、筆者も「ふざけんな!寝床ぐらい用意してくれよ薄情者が!」と苛立ちを覚えてしまった。仕方ない、寝床を探すかといったところでゲームがスタート。



体験版ということもあり、探索できる範囲は限りなく狭い。しかし、NPCのクエスト受注やクリーチャーおよび人間との戦闘、鉱山の探索など、できることはやや多めの印象。Gothic 1 Remakeの一部を試すうえでは申し分ないボリュームだと感じられる。





「まさか……」と思い無害なNPCを襲撃してみたところ、予想通り戦闘が始まってしまった。誰彼構わず攻撃できるのもまた、海外のオープンワールドゲームらしさと言えるだろう。なるほど、相手を怒らせたらトラブルに発展するのか。メモメモ……。




オリジナル版の特徴である、難易度の高さも健在だった。装備が脆弱すぎるせいか、雑魚っぽい敵の攻撃を数回受けただけで瀕死状態に。敵の攻撃に対処できず、開幕早々に何度もゲームオーバーになってしまった。これがGothicの洗礼というやつか……。


体験版で使えた武器は錆びた剣やつるはし、弓など。近距離・遠距離タイプの武器を使い分けて戦っていくスタイルのようだ。攻撃や防御、回避に加え、相手の攻撃を弾く「パリィ」もあった。
相手との距離感がつかめずに、こちらの攻撃が当たらないこともしばしば。相手との距離感を意識しながら立ち回る必要がありそうだ。そのうえ読み合いが発生しやすいため、手に汗握るほどの緊張感もあった。


また、最新のゲームエンジン「Unreal Engine 5」を採用しているのも特徴的だ。リアルを追求したグラフィックに目を奪われてしまった。草木や滝、岩肌の描写がリアルかつ美麗。壮大なファンタジー世界に没入したくなるような深みがあると感じた。
最上位設定だと40fps未満!? 重量級ゲームなのでは?
試しに、筆者のマイPCでフレームレート計測を行ってみることに。ディスプレー解像度はWQHD(2560×1440ドット)、CPUはIntel Core i7-13700K(16コア/24スレッド、最大周波数:5.4GHz)、GPUはNVIDIA GeForce RTX 4070 Ti(12GB、GDDR6X)、メモリーは32GB(DDR4-3200、16GB×2)。

テストをするにあたり、垂直同期はオフ、フレームレート上限は無制限、アンチエイリアスは「TAA」、解像度クオリティは「75%」に設定している。なお、アップスケーリング機能やフレーム生成技術は未実装だった。
グラフィック設定の上位プリセット「Gothic」、最上位プリセット「Alkimia OverDose」、最小プリセット「低」のフレームレートは以下のとおり。

結果を見ると、低プリセットの平均フレームレートは94.3fps、Gothicの平均フレームレートは87.1fpsとなった。アップスケーリング機能とフレーム生成技術に頼らなくても60fps以上で遊べそうだ。
一方、最上位のAlkimia OverDoseの平均フレームレートは40fps未満。滑らかさは一切なく、カクつきがかなり目立っていた。この最上位プリセットで遊ぶ場合は、グラフィック設定を下げる必要がある。もしくは、製品版に実装されるであろう、アップスケーリング機能やフレーム生成技術に期待するしかなさそうだ。
Gothic 1 remake、もしかすると重量級のゲームかもしれない……。
まとめ:監獄と化した世界を探検してみたい!
ちなみに、筆者はGothicシリーズをプレイしたことがない。存在は知っていたが、どういったゲームなのかはあまり知らない程度だ。だが、今回プレイしたNyras Prologueがきっかけで、Gothic 1 Remakeへの興味関心が一気に強まった。「あ、これは好きなやつだ」と純粋に思ったほどだ。
Gothic 1 Remakeの発売日はいまだ未定。おそらく来年ぐらいに発売されるのではないか、となんとなく予想している。オープンワールドゲームだけでなくファンタジー世界も大好物なので、続報に期待したいところだ。
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