文●ハッチ

1人でもマルチプレイの感覚で楽しめるシリーズ最新作
3月22日に発売されたカプコンの『ドラゴンズドグマ 2』は、「ドラゴンズドグマ」シリーズのナンバリングタイトルの最新作。世界観はこれまでの作品同様に中世風ファンタジー世界を舞台とし、1人プレイのオープンワールドになっています。

プレイヤーは竜に心臓を奪われ覚者となり、人間の王国「ヴェルムント」の王になりますが、公妃の謀略により呪いで記憶を奪われ、奴隷として売られます。本作はそんな奴隷の身から物語が始まります。
1人プレイではありますが、シリーズでお馴染みの覚者に付き従う異世界からの旅人“ポーン”により、マルチプレイのような感覚で冒険が楽しめます。

メインポーン1人と、ネットワークを介して他プレイヤーから借り受けるサポートポーン2人の最大4人でパーティーを編制。進化したAIにより、まるで他プレイヤーと一緒に遊んでいるかのような、シーンに合わせたコミュニケーションで冒険の旅を盛り立ててくれます
高めのCPU性能とミドルクラス以上のGPUが必要
そんな『ドラゴンズドグマ 2』ですが、プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X|S、SteamとPCでもプレイできます。Steam版の推奨環境は、以下のとおり。
システム要件 | 最低 | 推奨 |
---|---|---|
CPU | インテル「Core i5-10600」(6コア/12スレッド、最大4.8GHz)/AMD「Ryzen 5 3600」(6コア/12スレッド、最大4.2GHz) | インテル「Core i7-10700」(8コア/16スレッド、最大4.8GHz)/AMD「Ryzen 5 3600X」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce GTX 1070」/ AMD「Radeon RX 5500 XT」(8GB) | NVIDIA「GeForce RTX 2080」/AMD「Radeon RX 6700」 |
メモリ | 16GB | |
DirectX | Versin 12 | |
OS | Windows 10/11(64ビット) |
ちなみに、最低スペックは解像度が1920×1080ドットのフルHDで、30fps以上を保証するとしています。
一方、推奨スペックは3840×2160ドットの4Kで、30fps以上を保証するものとしています。ただし、Steamの表記では2160iとあるので、走査方式がプログレッシブではなく、インターレースの場合とのこと。

プログレッシブでは画像が縦方向に画素が2160本表示され、インターレスではその半分の1080本で済ませるため、情報量が少なくメモリの使用量も減り、画質は若干落ちるものの動作が軽くなります。
CPUは2019年~2020年のコスパの良いミドルクラス以上。ビデオカードは推奨スペックになると、ざっくり言うと数世代前のミドルクラス以上が求められるといったところです。
では、実際にどれぐらい動作が重いのか、筆者のやや型古の手持ち環境で検証してみました。検証環境は以下のとおり。CPUに関しては最新世代ですが、12スレッドのミドルクラス。
ビデオカードは推奨環境のリフレッシュ版で、若干性能が上がったRadeon RX 6750 XTとなっています。AMDのRadeonシリーズは、近年GeForceに迫る性能を見せ、さらに2024年1月23日以降のドライバーバージョンで使用できるAMD Fluid Motion Frames(AFMF)という、フレームレートを補完する新機能により、大幅なアドバンテージを見せています。
AFMFはRadeon RX 6000/RX 7000シリーズにて使用でき、DirectX 11/12対応のゲームであれば、ゲーム側の対応なしで使えるという強みを持っているので、その有用性も注目ポイントです。
【検証環境】 | |
---|---|
ディスプレイ | GIGABYTE「M28U」(28インチ、3840×2160ドット、144Hz) |
CPU | AMD「Ryzen 5 7600」(6コア/12スレッド、最大5.1GHz) |
ビデオカード | ASRock「Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OC」(12GB GDDR6) |
マザーボード | ASRock「B650E PG Riptide WiFi」(AMD B650E、ATX) |
メモリ | CORSAIR「CMH32GX5M2B5200Z40K」(16GB×2、DDR5-5200) |
ストレージ | Western Digital「WDS200T3X0E」(2TB、PCIe 4.0) |
電源 | SUPERFLOWER「LEADEX PLATINUM SE 1000W」(1000W) |
OS | Windows 11 Home(23H2) |
検証方法ですが、CapFrameXというフレームレートを計測するソフトを使い1分間、移動して戦闘した際のフレームレートを計測しています。画質は解像度フルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3パターン。グラフィック品質は“高”にしてから、他の項目を調整しました。使用したRadeonドライバーバージョンは24.3.1。
アップスケーリング機能をすべてオフと、AFMF以外のアップスケーリング機能として、FidelityFX Super Resolution 3(FSR3)の画質重視、バランス重視、速度重視、最高速度の4種類の設定でも計測しました。最初に上げた画質重視から、最高速度の順にメモリ使用量が減り、動作が軽くなる設定となります。

AFMF有効時はAMDのRadeon Softwareでしか補完したフレームレートの計測ができないため、Radeon Softwareのロギング機能で計測して平均値を出しているため、すべて平均値のみでグラフ化しています。
フルHDはAFMFがとても効いて130fps超えに!



戦闘はまったく同じ敵とエンカウントする訳ではないので、ある程度の揺れは仕方ないもののフルHDとWQHDではバランス重視が最も平均フレームレートが高いという結果になりました。ただし、いずれも99パーセンタイルを最低基準とした場合、バランス重視よりも速度重視、最高速度の順に高いフレームレートを示していました。
突発的な画面のカク付きを減らしたいなら、バランス重視よりも速度重視にした方が良いのかもしれませんが、キャラクターが動いた時の画像の粗さも気になるので、自分でバランスを考えて調整すると良いでしょう。私個人としてはWQHDのFSR3 バランス重視で十分な気がしています。
今回使用したビデオカード、Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OCのグラフィックスメモリ(VRAM)は、12GBと高いものの4KでFSR3を使わない場合は、使用グラフィックスメモリが7GBを超え、軽微な不具合が生じる可能性がある、といった警告文が表示されていました。

その4Kでは、アップスケーリングなし(FSRなし)から最高速度までの平均フレームレートが、キレイに順に上がっているので、グラフィックスメモリに余裕がある場合は、バランス重視以降は、最低フレームレートの底上げ重視に調整がされているのかもしれません。
また、AFMFはグラフィクスメモリに余裕があるほど高い効果を発揮するので、フルHDでは高い効果を発揮し、FSR3よりも1.7倍以上の平均フレームレートを叩き出していますが、WQHDと4KではFSR3に負けるほどの効果しか示していませんでした。
加えて、本作はCPU負荷も高く、CPU使用率はフルHDでも50%近くから80%くらい。WQHD以上は常時90%近く上がっていました。そのため、CPU負荷が高くなり過ぎて処理しきれず、AFMFにも影響が出た可能性も否めません。

推奨環境では画質設定次第で60fps以上で快適に動作
今回は手元にある推奨環境に近いビデオカードを使って、簡単な動作検証をしてみましたが、アップスケーリング機能を使えば4K解像度でも60fps以上で動作しました。WQHD以上の高解像度では、FSR3のバランス以降だとAFMFとフレームレートでは、それほど差がありませんでしたが、細かい描写はAFMFの方が良く見えたので、画質次第で調整するのが良さそうです。
60fpsでも快適にプレイできますが、せっかくPCでプレイするなら、より高いフレームレートで遊びたいといった人には、解像度はフルHDでAFMFを有効にするのがオススメです。
また、公式でも各キャラクターの思考やキャラクターの物理演算への影響を処理するためにCPUパワーを割いているので、多数のキャラクターが同時に登場するシーンでは、CPU負荷が高くなりフレームレートに影響を及ぼすケースがあるとしています。
そのような場合は、アップスケーリング機能の効果も薄くなる場合があるとのこと。今回CPUはAMDの最新Ryzen 7000シリーズのミドルクラスを使用していますが、高解像度でより快適にプレイするなら、より上位のモデルできれば3D V-Cacheを搭載するRyzen 7000X3Dシリーズのが望ましいかもしれません。
いずれにせよ、公式から今後のアップデートでフレームレートの調整も入るようなので、今回の結果はあくまで記事執筆時2024年3月27日現在のことなので、どうしても今PCで『ドラゴンズドグマ 2』をプレイしたい、という人は参考にしてみてください。
©CAPCOM
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