文●ハッチ
日本ギガバイトは10月21日(月)に、都内にて最新Intel Z890チップセット搭載マザーボードの発表会を行った。発表会では冒頭に日本ギガバイト 営業部長のCandy Sen氏が登壇して挨拶を行い、その後に日本ギガバイトの渡辺隆之氏が製品を解説した。


メモリースロットも真っ白なホワイトモデルも登場
同社のマザーボードブランドは最上位のAURUSシリーズ、ゲーミングやクリエイティブ用途のPRO/ELITE、その下にベーシックユーザー向けのEAGLE、UD(Ultra Durable)と続く。

Z790モデル時に最上位だったAORUS XTREME Xシリーズの後継は、AI特化のシリーズになった。そのため、Z890モデルではAORUS MASTER Xの後継となるZ890 AORUS MASTERが最上位に位置付けられている。
その下のZ890 AORUS PRO ICEとZ890 AORUS ELITE X ICEは、新たにICEという表記が加えられ、ホワイトモデルに変わった。そのため、Z790モデルではホワイトとブラック両展開していたAORUS ELITE AX ICEが、Z890 AORUS ELITE WIFI7となり、ブラックモデルのみで販売されるとのこと。
最上位のZ890 AORUS MASTERは、唯一電源フェーズ構成が18+1+2+1で、VRMが110A SPSになり、有線LANが10Gに対応する。Thunderbolt 4も2つ備える。メモリースロットは2つ、強化スロットになっていて、かつメモリー冷却用のファンを同梱する。


その下のZ890 AORUS PRO ICEは電源フェース構成が16+1+2+1で、VRMが90A SPSで、有線LANが5G、Thunderbolt 4は2つ搭載する。2つのメモリースロットは強化スロットになっていて、メモリー冷却用ファンは同梱する。また、従来のホワイトモデルとは異なり、メモリースロットやピン周りも白くなっているのも特徴だ。


Z890 AORUS ELITE X ICEは電源フェーズはZ890 AORUS PRO ICEと同じだが、有線LANが2.5Gで、Thunderbolt 4は1ポート。さらに強化メモリースロットは備えないといった違いがある。


Z890 AORUS ELITE WIFI7は電源フェース構成が16+1+2+1で、80A SPS VRM、2.5G 有線LAN、Thhunderbolt 4は1ポート備える。


Z890 EAGLE WIFI7は電源フェーズ構成が14+1+2+1で、60A DrMOS VRMを搭載。Thunderbolt 4は非搭載だが、USB4を備える。


Z890 AERO Gは電源フェース構成が16+1+2+1で、80A SPS VRMと、Z890 AORUS ELITE X ICEと同等だが、こちらはクリエイティブ用途向けのため、2.5G LANを2基備え、3スロットと2スロットのビデオカードを2つ搭載できる。そのため、ゲームと配信などと2つのビデオカードを使い分けられる。

MicroATXのZ890M AORUS ELITE WIFI7 ICEは、電源フェース構成が12+1+2+1で、60A DrMOSを搭載。2.5G LANに加え、USB4も備える。ICE付はホワイトだが、ブラックモデルのZ890M AORUS ELITE WIFI7も発売する。



Mini-ITXのZ890I AORUS ULTRAは8+1+2+1構成で、105A SPS VRMを搭載。2,5G LANを備え、Thunderbolt 4も1ポート備える。


EZ プラグ対応のWi-Fi 7アンテナを搭載
いずれの製品も無線LANは最新のWi-Fi 7で、Bluetooth 5.4に対応する。無線のアンテナは従来のねじ込むタイプのF型コネクタではなく、挿し込むだけで取り付けられるWIFI EZ プラグに対応する。アンテナの形状は長方形の小型なタイプだが、Z890 EAGLE WIFI7のみケーブルがないブレードタイプになっている。

また、ボタン1つでビデオカードが取り外せる機能PCIe EZ Latch+や、スクリューレスでM,2のヒートシンクを取り外し、SSDが付けられる機能、M.2 EZ-Latch Plus/EZ-Latch Clickにも対応する。


AIによる自動OC機能も利用可能に
さらに、同社はAIを使ったオーバークロック機能と、設計補助も進化ポイントとしてアピール。オーバークロック(OC)は、ユーザーがXMPメモリーを使用してプロファイルを選択したり、自分で数値を調整したりと、割とハードルが高かった。
しかしながら、同社の新機能AORUS AI SNATCH(自動OC機能)を使えば、AIが自動的にPCパーツ構成に合わせて設定を変更してくれるため、専門知識がなくても専門家と同等のOCが実現できるという。
もちろん、オーバークロッカーのように起動ギリギリまで攻める訳ではなく、あくまでPC構成に合わせて安定した動作が確保できるバランスのよい範囲でオーバークロックを行ない、性能を引き出す機能としている。ただし、メーカーのツールを使っているとはいえ、OCによる故障は保証外になるため、あくまで自己責任の範囲になる点は覚えておきたい。


また、AIにより駆動基盤を設計することで、基盤の積載構造の最適化により、信号の歪みの低減、より高いデータレートに対応、伝送信頼性の向上、システム全体の安定性の向上が見込めるとしている。そのうえ、ヒートシンクのサイズも最適化し、従来よりもバランスが取れた熱管理も実現しているとのこと。

さらに、同社はI/Oパネルに小さな通気口を設けて熱だまりを解消し、最大7℃の冷却性向上を実現。前述したメモリー冷却用のファンにより、最大10℃の温度差を生んだとしている。


加えて、デバック関連はマザーボードの右上に集約し、確認しやすくなっている。

BIOS画面の一新され、新しく独自のグレースケールスキンも追加したとしている。


また、Q-Flachを使用する際は、挿し込んだUSBメモリーに複数BIOSファイルがあっても、自動スキャンで最新のものを自動で検知する機能も備わったという。

同社はWindows以外のOSは対応と謳っていないが、AIOのファン回転数をBIOSで調整できるようになったため、Linuxを使用している場合でもファンの調整が可能とのこと。

さらに、各種ハードウェア情報を表示・確認できるHWiNFOとのパートナーシップにより、ハードウェア情報の改善、診断が強化されたと謳う。

新機能で無線LANアンテナの向きも最適化!
無線LANのアンテナは、ルーターのアンテナも同じだが、向きによって電波の受信感度が変わる。同社はその最適な向きを「WIFIコンパス」という新しい機能で見つけられるとアピールしている。

また、マザーボードの保証も従来の2年から3年に延ばした。これは耐久性の自信から実現したとしている。ピン折れについても購入から6ヵ月以内なら対象となる。

同社はZ890(X870E/X870も対象)マザーボードのレビュー投稿1件につき2000円分、1つの製品で最大2件投稿、合計4000円分のAmazonギフトカードが貰えるレビューキャンペーンも実施すると発表した。

発表会会場では、同社の未発売のケースが2種類、また日本では発売していなかった電源ユニットも展示されていた。発売時期や価格は未定だが、展示していたということは近日発表予定なのかもしれない。期待して待とう。



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