歴代のROG Phoneと比較
では、最後に歴代のROG Phoneシリーズから、どれだけ性能が向上したのかをチェックしていきたい。用意したのは筆者がこれまで使用してきた初代ROG Phone、ROG Phone 3、ROG Phone 6、ROG Phone 8 Pro Edition、そしてASUSさんにお借りしたROG Phone 9 Pro Editionだ。

昨年、ROG Phone 8発売時期には、ASUSさんにProなしのROG Phone 8もお借りしていたので、ROG Phone 9 Pro Edition以外のベンチマークソフトのスコアは、前回のものを踏襲している。ROG Phone 8に関しては、若干OSやドライバーバージョンで性能向上している可能性はあるが、発売当初の計測値である点はご了承頂きたい。
主なスペックは以下のとおり。


初代ROG Phoneは6インチと今よりもややサイズが小さいが、画素密度は402ppiとROG Phone 8以降の388ppiよりもやや高い。一方で、ROG Phone 9 Pro Editionのリフレッシュレートは初代の2倍以上になっている。
メモリークロックと容量は、ROG Phone 9 Pro EditionとROG Phone 8 Pro Editionが同じ、ストレージの規格もUFS 4.0と同じだ。プロセッサの性能差でどこまで差が生まれるのかが焦点となる。
以降の検証では、いずれも「Xモード」は有効にしているが、外出先での使用を想定して付属クーラーは使用せずに計測を行っている。ただし、ROG Phone 8 Pro Editionだけは、そのままだとROG Phone 8とスコア差がそれほど付かないため、前回「AeroActive Cooler X」を接続して最大冷却の「フローズン」で計測している。
ROG Phone 9 Pro Editionは「AeroActive Cooler X Pro」を使用せずに、「AeroActive Cooler X」を使用したROG Phone 8 Pro Editionに性能で勝るかにも注目したい。
ちなみに、ROG Phone 6以前のモデルは、筆者が普段使いをしていたため経年劣化もあるので、新品同様のスコアではないと考えられる。その点もご了承頂きたい。
総合ベンチやGPUベンチでは
確かな性能向上が確認できた!
まずは、スマートフォンでは定番となっている「AnTuTu Benchmark」の総合スコアから見ていきたい。

「AnTuTu Benchmark」のスコアは、ROG Phone 8 Pro EditionよりもROG Phone 9 Pro Editionの方が約1.28倍ほど高いスコアとなっている。初代ROG Phoneからは約6.5倍と圧倒的なスコア差を付けている。解像度はほぼ変わらないが、あらゆるアプリ処理においても、かなり快適になっているはずだ。

PC用のグラフィックス性能テストでは定番の「3DMark」は、Wild LifeだとROG Phone 8 Pro EditionとROG Phoner 9 Pro Editionはともにスコアが上限に達するMaxed Out!になるため、Wild Life Extreme以降の複数のテストで測定。
ただし、「Vulkan 1.1」APIとレイトレーシングの性能を評価する新世代の「Solar Bay」と、Steel Nomad LightはROG Phone 6より以前の端末では非対応となっている。
ROG Phone 9 Pro EditionはROG Phone 8 Pro Editionよりも全体的にスコアが向上。確実に性能アップしていることが分かる。

「GeekBench 6」のCPUベンチマークのスコアは、ROG Phone 8 Pro EditionよりもROG Phone 9 Pro Editionの方が約1.38倍と、こちらも大きく性能が向上している。
初代ROG Phoneから比べるとシングルコア、マルチコアともに5倍以上のスコア差があり、7年ほどでかなりの性能アップが図られたということに驚きだ。

「Geekbench 6」のGPUスコアは、ROG Phone 9 Pro EditionがVulkanでROG Phone 8 Pro Editionよりも1.49倍高いスコアを記録。OpenCLに関しても1.34倍と高いスコアを示している。
初代ROG Phoneと比べると次世代APIのVulkanに至っては10倍ほどの差があるため、Vulkan対応のゲームでは、快適度にかなりの差が出るものと考えられる。


ストレージの性能をテストする「AnTuTu Storage Test」では、同じUFS 4.0ながらプロセッサやメモリの性能差もあり、ROG Phone 9 Pro Editionは約29000ほど、ROG Phone 8 Pro Editionよりも高いスコアを示している。
内訳を見るとランダムリード/ライトは、ROG Phone 9 Pro Editionが負けているが、シーケンシャルリード/ライトの速度で少し高い速度を示している。プロセッサの性能差が、ある程度ストレージの速度にも影響が出ていることが分かる。
「AnTuTu Storage Test」のように細かい速度の内訳を表示するストレージ用ベンチマークソフト「CPDT Benchmark」でも測定してみた。

本ベンチでは結果の揺れが大きく、一部が異常に高い数値を出すことがあるので、何度か計測して何度か同じ傾向を示した結果を採用しているが、ROG Phone 9 Pro EditionのシーケンシャルリードがROG Phone 8 Pro Editionよりも2倍近く速度が速い数値となっている。
「AnTuTu Storage Test」よりも大き過ぎる差で、さらにランダムはどれもリードよりライトの方が速い数値が示されている。どうにも信ぴょう性にかけるが、ROG Phone 9 Pro Editionが、ほかよりシーケンシャルリードが速いということは分かる。
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