文●藤田 忠 編集●ハッチ

最新のGPUは、いずれもアップスケーリング技術を搭載することは当たり前だ。2025年に発売されたAMDのRadeon RX 9000シリーズは、AIアクセラレーターや、レイアクセラレータ―の世代も上がり、従来モデルでは弱点とされていたレイトレーシング性能も向上。そのうえ、競合と比べてもコスパに優れて人気を博している。
そんなAMDの最新アップスケーリング技術である「FidelityFX Super Resolution 4(FSR 4)」は、AIを活用することで従来よりも画質向上を実現。AIを活用するため、最新のRDNA 4アーキテクチャを搭載したRadeon 9000シリーズのみの対応なのは残念だが、フレームレートを引き上げながら、良好な画質を維持できるとあって、その評価は良好だ。
そんなFSR 4に対応するゲームタイトルは、NVIDIA DLSSと比べるとやや少ない。今年の2月にメガヒットしたカプコンの『モンスターハンターワイルズ』は、発売当初FSR 3.1に対応し、その後にAMDの公式サイトでは、FSR 4対応タイトルに名を連ねた。
カプコンは現状FSR 4に正式に対応したとはアナウンスしていないが、AMD Software側ではFSR 4の設定項目が表示されて適用できるため、FSR 4レディー状態として利かせられる。また、人気の『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』はFSR 4に正式対応し、フレームレートを引き上げながら、画質を維持できる。

Radeon RX 9000シリーズというと、国内では2025年6月6日に5万円台から購入できる高コスパで注目を集めたRadeon RX 9060 XT搭載のビデオカードも店頭に並んだため、本稿では改めてFSR 4の効果を確認してみた。
検証にはゲーミング特化CPUのRyzen 7 9800X3D、ビデオカードにASRock「Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」を搭載したPCを使用。『モンスターハンターワイルズ』と『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』で、FSR 4 オーバ-ライドを設定した。



Adrenalinでオーバーライドを実行するだけ
FSR 4を利用するには、Radeon RX 9000シリーズ搭載ビデオカードに加えて、ゲームタイトル側の対応が必要だが、設定自体は超簡単だ。
FSR 4を効かせられるゲームは、AMD Software: Adrenalin Editionの「ゲーム」タブを確認すれば一目瞭然だ。ゲームタイトルごとのグラフィックス設定に、「FidelityFX スーパー解像度 4」の項目が出現していれば、FSR 3をドライバーでFSR 4に置き換える(オーバーライド)が可能なのだ。
『モンスターハンターワイルズ』(モンハンワイルズ)は、特に何か特別な設定を行わずとも、AMD Software: Adrenalin Editionに「FidelityFX スーパー解像度 4」の項目が出現する。あとはコレを有効に切り替えてゲームを起動すれば、FSR 4で動作する。



ただ、今回『モンハンワイルズ』とともに、FSR 4の画質を確認してみた『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』(Oblivion Remastered)は、記事執筆時点でのドライバーでは「FidelityFX スーパー解像度 4」の項目がスムーズに現れないことがあった。ゲームが落ちる、バグで進行が詰むといったBethesdaゲームあるあるを、体験できる状態(それでも面白いから止められないのだが……)なので、今後の最適化に期待したい。
今回のテスト環境では、AMD Software: Adrenalin Editionに自動で登録される『Oblivion Remastered』のゲームアイコンではなく、別に登録される実行ファイル『Oblivion Remastered-Win64-Shipping』のほうに、「FidelityFX スーパー解像度 4」の項目が出ることが多かった。こちらで有効に設定し、ゲームを起動すれば問題なく、FSR 4が効いたので安心してほしい。
ちなみに、今回の環境ではゲームエンジン「Unreal Engine 5」のハードウェアレイトレーシング「LumenハードウェアRT」を有効にすると、100%ゲームが落ちるようになってしまった。そのため、ここでは「LumenソフトウェアRT」でテストを行っている。


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