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Radeon RX 9070 XTなら「エピック」設定でもWQHDで55fpsと快適!話題沸騰中のターン制RPG『Clair Obscur: Expedition 33』をレビュー

強力なシナジーを生み出す面白さ

 Expedition 33は戦闘のみならず、RPG要素も魅力のひとつだ。「敵を倒す→経験値を稼ぐ→レベルアップ→ステータスアップ」までの流れはRPGの定石というべきだが、本作の面白いところはパッシブスキル(ピクトス)同士のシナジー効果にある。スキルの組み合わせ次第では、規格外のダメージ量を引き出せたり、攻略が有利になったりする場合も。

 そのため、道中で獲得できるパッシブスキルが攻略のカギを握るわけだ。もちろん、シナジーにはキャラクターの固有スキルや武器の効果も大きく関係している。攻略するうえで、キャラクターの特性と武器、そしてパッシブスキルの強化が不可欠と言える。

レベルアップすると、キャラクターの特性(ステータス)を強化するためのポイントを得られる。ポイントを振って特性を強化することが肝心だ
レベルアップで固有スキル用のポイントも獲得できる。戦闘やバブなどのスキルアンロックも大事だ
武器には属性効果のほか、一部の特性を底上げする補正も付与されている。武器レベルが上昇すると攻撃力アップや、武器固有のスキルがアンロックされることも
パッシブスキルの「ピクトス」は最大3個まで装備できる。パッシブスキルが使えるほか、一部の特性がアップするという恩恵も。キャラクターを育成するうえでは必須のアイテムと言える
新規のピクトスをひとりのキャラクターに装備させた状態で複数回勝利すると、「ルミナ」として全キャラクターに装備できるように

 また、ビルドを構築する面白さもポイントだ。たとえば、カウンター攻撃に特化したビルドや高火力特化のビルドなど、自分が思い描く戦略を自由自在に生み出せる。ストーリーが進むにつれ、敵の火力も防御力も高くなっていく。そのため、ただ単にレベルを上げるだけでなく、シナジー効果とビルドの構築もしっかり熟考しなければならないのだ。

 Expedition 33の戦略は多種多様で、どのようにゲームを進めるかはプレイヤー次第となる。自由度の高い成長要素もまた、本作にハマってしまう要因と言えるだろう。

 『Clair Obscur: Expedition 33』Steam版の推奨スペックは、CPUが第12世代インテル「Core i7-12700K」(12コア/20スレッド、最大5.0GHz)&AMD「Ryzen 7 5800X」(8コア/16スレッド、最大4.7GHz)と、4~5年前のメインストリームとなっている。

 ビデオカードはNVIDIA「GeForce RTX 3060 Ti」(8GB)またはAMD「Radeon RXZ 6800 XT」(16GB)と、同じく4~5年前のコスパの高いミドルロークラスとしていて、このスペックが1080p(1920×1080ドット)いわゆるフルHDで、フレームレートが60fpsの推奨構成だ。

Steamより抜粋、メインメモリーは16GBが推奨、ストレージはSSDが必要としている

 せっかく、映像が綺麗なので高解像度でプレイしたいところだが、どれぐらいのスペックが必要なのだろうか。そこで、2025年3月に発売されたばかりで、最新の重いPCゲームも快適にプレイできると人気が高いAMD「Radeon RX 9070 XT」と「Radeon RX 9070」を使って、高解像度の動作もチェックしてみた。検証環境は以下のとおり。

 CPUには3D V-Cacheという高速なキャッシュメモリーを搭載し、コア間のデータのやり取りを効率化。メインメモリーへのアクセス頻度を減らし、PC全体のパフォーマンスを向上させる、ゲームやクリエイティブな作業に有効な最強クラスのCPU「Ryzen 9 9950X3D」を採用した。

 計測は「いにしえの聖域」での移動と戦闘1回を行なった際のフレームレートをCapFrameXにて行った。グラフィックのプリセットはすべて最高設定の「エピック」としている。『Clair Obscur: Expedition 33』はAMDのアップスケーリング技術FidelityFX Super Resolution(FSR)には非対応だが、解像度が4K以下の場合は有効にできるRadeon Super Resolution(RSR)は使用している。

 3840×2160ドットの4KでもRadeon RX 9070で平均32.8fpsと30fpsを超えている。1% Low Averageは20fpsとやや心もとないが、極端に重く感じたり、画面のカク付きを感じることはほぼない。ただし、本作はパリィやジャンプで回避してからカウンターなど、遅延があるとやや戦闘がしづらくなることもあるかもしれない。

 現状、4Kでも戦闘しづらいといったことはなかったが、画質設定を落とすか、WQHD以下で遊ぶのが無難そうだ。WQHDであれば、1% Low Averageでも40fpsを超えているので、まずまず快適に遊べるだろう。

 ちなみに、最近はフレームとフレームの間にAIが新しいフレームを作成し、フレームレートを向上させるフレーム生成の活用もあるが、『Clair Obscur: Expedition 33』はゲーム側で、フレーム生成は非対応。

 そこで、ゲーム側で非対応でもフレーム生成が行なえるAMD Fluid Motion Frames 2.1(AFMF 2.1)を使用した際のフレームレートも確認してみた。上記のとおりRadeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070では、高解像度だと大きな開きもなかったので、Radeon RX 9070 XTでのみ使用。AFMFで補完した際のフレームレートは、CapFrameXでは測定できないため、AMD純正のロギング機能でフレームレートを計測している。

 AFMF 2.1では従来バージョンよりも安定性が増し、一部ゲームだとキャラクターを動かした際に表示されていたキャラの周囲が何重にも重なって見えるゴーストもでなくなっている。『Clair Obscur: Expedition 33』もそうした現象なく快適に動作し、画面のカク付きもなく、フレームレートもAFMF 2.1を使用していないときのほぼ倍になっている。

 Radeon RX 9070などを搭載した最新のビデオカードでは、AFMF 2.1を使用するなどし、高解像度でも高フレームレートの滑らかな映像でゲームが楽しめそうだ。

ROG Allyは720pなら中画質で平均35fpsをキープ

 試しに、dGPUを搭載しないゲーム機型PCでは、遊べるのかもチェックしてみた。使用したのはLevelUp Logyでは定期的に性能チェックに使用しているASUS「ROG Ally」だ。検証に使ったROG Allyは、AMDのハンドヘルド向け「Ryzen Z1 Extreme」を搭載している。

ROG Allyは7インチと画面が小さいため、フルHD以下の中設定でも映像を粗くは感じなかった

 さすがに画質設定は「エピック」だと厳しいので、「中」設定にしている。また、ROG Allyの最大解像度は1920×1080ドット(1080p)だが、そこを基準として1600×900ドットを900p、1280×720ドットを720pの3パターンを計測。さらに、Radeon RX 9070 XTの時と同様にAFMF 2.1を使用した際のフレームレートも測定した。

 1080pでは平均フレームレートが21.5fpsと30fpsを割っている。動きが遅過ぎてイライラする、という程ではないが、それでも時々画面がカク付くため、お世辞にも快適とは言い難い。AFMF 2.1を使用すると平均フレームレートは33.9fpsと30fpsを超えるが、それでも少し重い。

 900pでも1080pから動作が劇的に変わることはない。しかしながら、720pになると画面のカク付く頻度はほぼなく、パリィなども問題なく行なえるので、カジュアルに遊ぶならアリといったところ。AFMF 2.1を有効にすれば57.6fpsと60fpsに近づくため、本作であれば十分快適に遊べそうだ。

まとめ:フランスが生み出した、JPRGファン垂涎の傑作

 Expedition 33は洋ゲー色マシマシだが、日本人に馴染みのあるターン制コマンドバトルを導入したことで高評価を得たRPGだ。

 緊張感たっぷりの戦闘はもちろん、胸を打つストーリーと個性豊かなキャラクター、そして芸術性の高いグラフィックに終始魅了されっぱなしだった。JRPGを愛し続けているファンに向けたラブレター的な傑作と言っても過言ではないだろう。「素晴らしい」の一言に尽きる。

 映像に関わるプリセットが最高設定の「エピック」で4Kの高解像度だと、AMDの最新GPU「Radeon RX 9070 XT」搭載のビデオカードでも60fpsを切るほどに動作が重いが、そこそこ快適にプレイできる。やや型古のミドルクラスのビデオカードでも設定次第では、WQHD以下で遊べるとは思うが、美麗な映像を最高設定で楽しみたいなら、最新のミドルクラス以上のビデオカードを使用して遊ぶことをオススメしたい。

Developed by Sandfall Interactive. Published by Kepler Interactive. All rights reserved.

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