文●いちえもん 編集●ハッチ

Green Tile Digitalが手がけた『Locomoto』は、どうぶつたちが暮らす世界を舞台に、蒸気機関車の車掌として働くライフシムアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は2800円。
Locomotoのトレーラーを鑑賞した際は、「あれ、どこかで見たような……」とちょっとした既視感を抱いてしまった。なかでも、”どうぶつたちが暮らす世界”という設定に一瞬ヒヤっとさせられたが、いざ本作をプレイしてみたら唯一無二の面白さに気づいたのだ。
そこで本稿では、Locomotoのプレイレビューをお届けしたい。
わかりやすさ全振りの癒し系ライフシム
Locomotoの主人公は、蒸気機関車の車掌。車掌の仕事をこなしつつ、どうぶつたちと交流をしたり悩みを解決したりすることが目的だ。車掌一筋というわけではなく、車掌兼なんでも屋といったところだろうか。



ゲーム開始直後のキャラクタークリエイトを済ませると、いきなり所有者の許可なく蒸気機関車を操作することに。泥棒のような感じでものすごく不安だったが、主人公の知り合いは「大丈夫!問題ないよ」と自信ありげの様子。『エルシャダイ』的な何かを思い出したが、まぁなんとかなるのだろう。



蒸気機関車は先頭車両の炉に一定量の石炭を入れ、地図で目的地を設定し、レバーを引くと動く仕組みとなっている。最初は難しいのではと少々不安だったが、操作自体はとても簡単だった。断言しよう、序盤の簡単すぎるチュートリアルを体験すれば誰でも蒸気機関車のプロになれるぞ。





ジャンルにもよるが、癖が強すぎるゲームシステムはストレスの原因になることもしばしば。ストレスは癒しの天敵というべきだろう。
しかし、Locomotoは癒し重視のゲームだからか、シンプルをとことん追及しているところが良い。要は”わかりやすい”のだ。あまりゲームをしない人でも気軽に入り込めると感じた。


蒸気機関車=マイホームを作る面白さ
わかりやすい部分は、蒸気機関車の操作だけではない。蒸気機関車のカスタマイズやアイテムのクラフトも丁寧かつわかりやすく、チュートリアルをこなすだけで簡単に習得できるようになっている。
クラフト系のゲームも人によって得手不得手があるが、素材集めからクラフトまでの工程は単純明快なので難しく考えなくてもいい。


筆者は、内装をおしゃれにデコレーションしたり、新たな車両を連結させたりと、蒸気機関車を自由にカスタマイズできるところに興味を覚えた。鉄道模型をいじっている感覚に近いからだ。プラモデラーの血が騒ぐほどの面白さがあるのではないか、となんとなく考えている。




Lo-Fiを聴きながら世界を自由に探索
Locomotoのもうひとつの魅力は、Lo-Fiを聴きながら世界を自由に探索できることだ。Lo-Fiとは、ゆったりとしたサウンドが特徴の音楽ジャンル。YouTubeやSpotifyなどで流行っていて、作業用BGM、もしくはリラックス用BGMとしてLo-Fiを聴く人が増えてきている。

そんなLo-Fiのサウンドトラックを採用していることが、Locomotoの魅力と言える。わかりやすいゲーム性も相まって、本作のリラックス効果は絶大だ。
メルヘンな町、優しすぎるどうぶつたち、悪が存在しない世界などに触れながら、Lo-Fiの音色に耳を傾けると、水面に浮かんでいるような心地に。まさかライフシムゲームでリラックスできるなんて驚きだ。Lo-Fiを聴きながら世界を探索することもまた、癒し効果を高める要因と言えるだろう。




癒しの線路は続くよどこまでも
Locomotoを数時間プレイしたが、「楽しかった」よりも「癒された」という気持ちが大きかった。本作はよくあるライフシムゲームではあるが、ストレス社会を生きる人々を癒すリラクゼーションゲームではないかと思った次第だ。
走行中の蒸気機関車を客観的に鑑賞したかった点を除けば、Steamの「非常に好評」という評価は納得できる(4月22日執筆時点)。蒸気機関車を走らせる、美しい景色を眺める、どうぶつたちと交流する、アイテムをクラフトする、悩みを解決するなど、ゲームの遊びごたえは抜群だ。遊びと癒しのバランスが絶妙なゲームであると感じられた。
スローライフを満喫したい人や癒し全開のゲームを求めている人に、Locomotoを強く推したい。本作をプレイすれば「平和が一番!」を実感できるようになる……かもしれない。
Locomoto™
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