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売れ行き絶好調Radeon RX 9070は何を買えば良い?シリーズごとの特徴や裏話をASRockの原口氏に直撃!9070 XTと無印の性能差もチェック

一から設計を見直すなど、性能にコダワリ抜いたOCモデルのTaichi

編集部:御社らしい面白い発想ですね。では、Taichiはどうでしょうか?

Taichiの「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」は、最上位らしいインパクトの高い見た目と、高い性能を兼ね備えている

原口氏:Taichiはシンプルに一番速いものが欲しい人、かつ値段もできるだけ頑張っています。実際の市場価格を見て頂ければ分かると思うんですが、Taichiは確かに高いんですが、一番高い製品ではないんです。それでいながら、一番速いブーストクロックを持っています。また、各社AMDから出ている基本設計をベースに製品を作っていますが、Taichiだけはオーバークロックを前提として設計を一から見直しています。

そのため、通常の製品とは大きく異なる部材を使うなどしています。通常は50AのDr.MOSを使っているのですが、1個あたり60Aに変わっています。さらに、通常の製品だと13フェーズのところ、16フェーズに増やし、電力供給の安定化を図っています。

あとは大電流を扱ううえで、次世代規格の12V-2×6のパワーコネクターを搭載しています。最近はビデオカードのクロックが上がったり、下がったりリニアに動くようになっているのですが、8ピンより12V-2×6の方がレスポンスが良く、一気に大電流を扱えるようになっています。

編集部:従来のTaichiは8ピン×3の構成でしたが、それとの違いは?

原口氏:8ピン3本より1本にまとめた方がエアフローも良くなりますし、ヒートシンクを極限まで敷き詰められるという物理的なメリットもあります。

Taichiは他社も含めてRadeon RX 9070搭載製品では、唯一補助電源に16ピンを採用している

編集部:ファンの形状変化などはありますか?

原口氏:ファンは「Striped Ring Fan」を採用し、サイズも100mmと大型化(Taichiの末尾70シリーズは、既存だとRX 5700 XTがあるのだが、サイズは90mmだった)しています。性能では、以前のモデルよりも20%エアフロ―が上がっています。

また、ヒートシンクもV字型にカッティングしたことで、7%エアフロ―が良くなりました。ヒートパイプは最も効率良く熱移動できるとして8本敷き詰め、ベースプレートとの接触も最大化できるような調整をして、GPUの温度も5度さげることができています。

編集部:ほかには何か特徴はありますか?

原口氏:サーマルパッドはHoneywell製のPTM7950という相変化※で熱伝導性の高いものを採用しています。サーマルパッドとグリスの間のような特性を持っていて、45度以下だとサーマルパッドになり、45度以上だと液晶化するといった、面白い素材となっています。

※温度の変化に伴って物質の状態が個体や液体、気体に変化すること

熱伝導効率は8.5W/mKとそれほど高いものではないのですが、個体から液体、液体から個体への変化を1000回繰り返しても性能の劣化がない、耐久性がずば抜けて高いプレミアムなパーツを使っています。

あと、通常のメーカーは大体50~60Aのチョークコイルを使用していますが、Taichiは超贅沢に90Aのチョークコイルを使っています。チョークコイルにもいろんな種類はありますが、GPUが3GHzなどで回ってくれるので、高周波数域で強いAlloy型(鉄型)のチョークコイルを採用しています。

Alloy型のチョークコイルは、昔めちゃくちゃ高かったのですが、ここ3、4年くらいブレイクスルーが起こって、現実的な値段になってきたので使用できるようになりました。このようにコイル鳴きをできるだけ起こさないような、我々のできる極限の努力をさせて頂いています。

編集部:値段が高いなりの理由があるんですね。

原口氏:Taichiシリーズは、ゴツゴツとした存在感のある、Taichiシリーズのマザーボードと一緒に使って貰いたいデザインになっています。秋葉原の一部店舗さんでは、展示していたりするので、ぜひ一度実物を手に取ってみて、製品を選んでもらえればと思います。

編集部:原口さん、丁寧な解説ありがとうございました!

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