高フレームレートプレイはFSR対応次第
12月9日に発売されたばかりの『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』は、FSR対応を予定しているが、記事執筆時はNVIDIA DLSSのみ対応していて、Radeonには不利なゲームとなっている。ゲームによっては逆パターンもあるのと、動作が重いという声が多いため、あえて今回Radeonが不利なゲームとして取り上げてみた。
『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』は、FSRに未だ対応していないように、Radeonでの最適化がこれからといったところなのか、AFMF 2も動作しなかった。そのため、グラフィック品質は「低」にして、フレーム生成機能はない状態での計測のみで比較する。


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グラフィック品質は「低」にも関わらず、Radeon RX 7600は全体的にかなり低く厳しい印象。Radeon RX 7700 XTになると4Kでも平均63.1fpsと、そこそこ問題ない動作になったが、前述したように序盤のシーンでの計測結果なので、シーンによってスタッタリングが発生した場合は、WQHD以下に落としたいところだ。
本作はもう少しいろんなシーンを確認してみないと、画質の評価はし辛いところだが、グラフィック品質が、低の上に5段階もある。試しに最上位の「究極」にしたところ、Radeon RX 7800 XTでもWQHDで平均78.5fpsと40fpsほど下がった。
Radeon RX 7700 XTとRadeon RX 7800 XTなら、WQHD以上&高画質設定でゲームがプレイできそうだが、120fps以上の高フレームレートでの安定したプレイには、FSR対応を待ちたいところだ。
最高画質ならWQHDプレイが無難か
最後に今年ついにPC版が登場した『FINAL FANTASY XVI』にてフレームレートを測定してみた。画質品質は最高画質の「ウルトラ」にし、FSR 3+動的解像度有効&AFMF 2を無効にした際と、有効にした際で比較している。ちなみに、本作は前述したようにRadeon Boostにも対応しているため、Radeon Boostも有効としている。


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Radeon RX 7600は4Kでは余裕がなく、FSR 3&AFMF 2を有効にしてもフレームレートの増減が少なくて、プレイには向かない動作になっている。WQHDであってもスタッタリングは見受けられないものの、像が二重三重に見えるゴースト現象が起き、動作も緩慢で快適とは程遠い。
フルHDでは、フレーム生成なしで平均30fpsを超え、カジュアルにはプレイできそうだが、シーンによっては動作が重くなると容易に予想できるので、画質または解像度をより下げる必要がありそうだ。
Radeon RX 7700 XTでは、WQHDで平均60fpsを超えていて、特に問題なく快適に動作した。フレーム生成で3倍以上とフレームレートが倍増しているため、240Hz以上の超高リフレッシュレートディスプレーも活かせそうだ。
ただし、4KはRadeon RX 7800 XTでもフレーム生成なしで平均35.1fpsと心もとなかったので、重いボス戦などで動作が落ちることがあるようなら、少し画質などを見直したい。
ちなみに、今回はFSR対応ゲームについては、FSRとAFMF 2との併用でフレームレートを計測してきたが、実際にどちらか一方のみ有効にした場合、どのように動作するのかを確認するため『FINAL FANTASY XVI』ではFSR 3のみ、AFMF 2のみ有効時のフレームレートも計測したみた。FSR 3は無効AFMF 2有効時は、HYPR-RXに含まれるRSRやRadeon Boostも有効にしている。

おそらくゲームによってフレームレートの上がり方などに違いが生まれると思うが、『FINAL FANTASY XVI』に関しては、FSR 3のみ有効の場合よりは、AFMF 2を有効にした方が、Radeon Boostなどの効果もあるためか、フレームレートの上がり幅が大きい。
WQHDまでは、FSR 3のみよりもAFMF 2のみの方がフレームレートが高い。4KではAFMF 2のみにFSR 3のみがフレームレートで逆転しているが、4Kより低い解像度の際、4KにアップスケーリングするRSRが使用できていないため、とも考えられる。
ただし、解像度がフルHDと負荷の低い時の差は少ないものの、4Kなど負荷が高くなった時は、AFMF 2のみを有効にした方が、キャラを回転した時などの大きな動きの際にゴースト現象が起きたり、グラフィックのディテールが粗くなったりする傾向にある。
そのため、そうした現象が気になる場合は、フレームレートに余裕があるならAFMF 2は無効にし、FSR 3のみを有効にしておく方が良さそうだ。
幅広いゲームでフレーム生成が利用できコスパも◎
Radeon GPUは数世代前まで、性能で競合のGeForceに性能で大分水を開けられ、コスパ面でも厳しいものがあった。しかしながら、近年はAFMFの登場や細かなアップデートを繰り返し、コスパに優れるビデオカードとなっている。

ドライバーの不具合が多いといった印象も、ひと昔前に比べれば大分なりを潜め、小まめなアップデートと、ユーザーからのフィードバック対応で改善されているので、今ならPCライトユーザーでも安心して使えるだろう。
今回のフレームレート測定で分かるように、最新のPCゲームも一部のとても重いゲームを除き、フルHDならRadeon RX 7600で快適に動作する。Radeon RX 7700 XTは、WQHDまでならどのゲームも高フレームレートで動作し、軽めのゲームなどは4Kでも快適に動作する。
Radeon RX 7800 XTは、重いと噂の最新PCゲームのほとんどが4Kでプレイできる性能を有し、ゲームによっては240Hz、近年増えてきているそれ以上の超高リフレッシュレート対応のディスプレーも活かせる動作が見込める。
また、FSR未対応の『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』や、実は検証はしてみたが正式サービス前のネットワークオープンテストだったため大きく取り上げなかった、2025年1月24日発売予定の『SYNDUALITY Echo of Ada』(シンデュアリティ)など、AFMF 2が動作しなかったタイトルもある。
そうした場合は、Steamで配信されているビデオカードの制限なくフレーム生成が可能な「Lossless Scaling」(800円)を使う方法もある。「Lossless Scaling」では、手軽にフレームレートを2倍、3倍、4倍に増やせるが、遅延に関してはAFMF 2の方が優秀とも言われている。


ゲームによっても異なるとは思うが、AFMF 2が動作しないなどの問題がなければ、HYPR-RXという自動で複数機能を有効にし、対応ゲームは意識せず最適化してくれる、AMDのエコシステムが使えるAMD Softwareの機能でゲームが快適になるRadeon GPUは、今後初めてPCでゲームをプレイする人にもオススメできる。
ASRockは先日同社初の電源ユニットも発表した。Steel Legendは既に発売し、Phantom Gamingなどほかのシリーズは、2025年1月以降随時発売する予定だ。温度センサーなども搭載し、競合他社にはない安心・安全な高品質な電源ユニットと、同じシリーズで組み合わせるも良し、自分が遊びたいゲームに合わせて今回紹介した3モデルのビデオカードの購入も検討してみてはいかがだろうか?
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