Radeon RX 7600ではWQHD以下の解像度が望ましい
さて、では実ゲームの動作はどうなのか、さっそく確認してみたい。まずは比較的新しいFPSゲームとして『Call of Duty: Black Ops 6』でフレームレートを計測してみた。画質品質は最も高い「極限」にし、レンダリング解像度は「100」、AMD FSR 3(ウルトラパフォーマンス)を有効にしてフレーム生成を行ない、さらにAFMF 2も有効にしている。
そのうえで、Radeon RX 7600、Radeon RX 7700 XT、Radeon RX 7800 XTを使用し、各ゲームごとにフルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2160×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3パターンの解像度で、フレーム生成有効時と無効時のフレームレートを測定している。以降のゲームも基本的にこのパターンで実施している。



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FSR 3&AFMF 2を有効にしても、フレームの挿し込みに遅延が生じているのか、画面を見ていると若干の酔いを覚える。フレームレートが一定間隔で表示できていない余裕のなさが見えるので、Radeon RX 7600の場合は解像度はWQHD(2560×1440ドット)以下に抑えた方が良さそうだ。
しかしながら、Radeon RX 7600でも画像品質が「極限」という最高品質でも、WQHDで平均84fpsを維持できているのは立派だ。今回はRadeon RX 7600での動作も考慮して、どのゲームでもFSRの設定は最もパフォーマンス重視の設定にしているが、これだけ余裕があるので、より画質重視の設定にして問題なさそうだ。
AFMF 2はフレームレートが大幅に向上する、というフレーズだけが耳に残り、低いフレームレートで動作する環境でもゲームが快適になる機能と勘違いされていることもある。しかしながら、AMDはAFMF 2はフレームレートを使用していない時で60fpsを維持できる際に有効とすることを推奨としている。

結局のところ、AFMF 2を動作させるにもGPUのリソースが必要になるので、元々フレームレートが低すぎて動作が不安定なビデオカードでは、GPUリソースが活かせない。
そのため、やはり自分がプレイしたいゲームの推奨環境以上のビデオカードでプレイすることが望ましいのは明らかだ。そのうえで、高リフレッシュレートのディスプレーがどれほど活かせるのか、という点が肝要だ。
ちなみに、今回は時間の関係で計測を行っていないが、従来のAFMF 1はフレーム生成時の遅延が発生し、競技性の高いFPSなどには不向きとされていた。しかしながら、AFMF 2では遅延が改善し、同じようにフレームレートを向上させる「Lossless Scaling」よりは遅延が少なく、人によっては許容できる範囲に収まっている。
筆者はFPSに関しては門外漢なので分からないが、その点も踏まえてAFMF 2を使用するかどうかは考慮したい。
サンプリング解像度は50以下でプレイしたい
次により動作の重いゲームとして『黒神話:悟空』でフレームレートを計測してみた。『黒神話:悟空』にはゲーム内ベンチマークソフトがあるが、FSR&フレーム生成やAFMS 2を使用した際のフレームレートを確認するため今回は使用せず、AMD Softwareのロギング機能で計測している。
画質はプリセットがないので全項目を手動で「最高」にしたが、サンプリング解像度が100だとRadeon RX 7600では動作が厳しかったので、サンプリング解像度は50にした。そのうえで、FSR&フレーム生成、AFMF 2無効時と、有効時でそれぞれ比較する。
最近のPCゲームは動作させるPCのシステムを参照し、初回起動時に最適な環境に設定されるタイトルもある。『黒神話:悟空』は「推奨画質を適用」という項目があり、この機能を使うと自分のPCに最適な設定となる。
とはいうものの、記事執筆時点では画質に合わせて基本サンプリング解像度で調整する機能になっていた。解像度を変更しても自動でサンプリング解像度が上下して調整されることもあるので、解像度を変更しても大幅にフレームレートの変わらない時は、このサンプリング解像度を参照すると良いだろう。


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『黒神話:悟空』はサンプリング解像度が50でも、画質が「最高」だとRadeon RX 7800 XTでもフルHD(1920×1080ドット)&FSRが無効で平均58.9fpsと60fpsを下回っている。Radeon RX 7600に関しては、フルHDでも平均35.4fpsとなっている。
できるだけ計測にブレが出ないように、敵と接敵していない時に動き回って測定しているので、実際のボス戦などではかなり厳しいことが予想される。『黒神話:悟空』では、サンプリング解像度の設定が、かなりフレームレートにも影響が出る。サンプリング解像度をより下げて、画質も「低」などであれば、Radeon RX 7600でも遊べそうだ。
『黒神話:悟空』の画質設定は「最高」のうえに「超高」があるので、最上位の設定&高解像度で遊んでみたい場合は、Radeon RX 7900シリーズを搭載したビデオカードが欲しいところだ。
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