文●ハッチ
EIZOは同社史上最も環境に配慮した23.8インチ液晶ディスプレー「FlexScan FLT」(以下、FLT)を発表した。FLTは「Future-Leading Technology」の略で、同社が描くサステナビリティ、モニターデザイン、ワークスタイルの未来ビジョンを最先端技術によって具体化したディスプレーと謳っている。


EIZOは2023年に低炭素移行計画を策定し、2040年のNet Zeroを達成すべく、バリューチェーン全体で低炭素社会の実現に取り組んでいる。FLTは低炭素移行計画に沿ってEIZOの技術を結集して設計した、環境対応におけるフラグシップモデルとのこと。

発売は12月10日(火)で、参考価格は同社直販サイトEIZOダイレクトで6万4900円(税込)となっている。
EIZO史上最薄・最軽量
FLTはスタンドを搭載せず、モニターアームで使用することを前提としている。薄型のディスプレー部をスリムなアームに取り付け、中空ベゼルを採用し、まるで宙に浮かんでいるような軽やかさを演出しているという。
また、ディスプレー部の質量は2.4kgで、厚みは24,4mmと薄型となっている。同じサイズの従来機種と比較すると、約49%の軽量化と約58%の薄型化に成功しているとのこと。


ディスプレイは上に35°、下に5°可動し、前後傾き40°、前後の移動80mm、アームで左右90°傾けられるほか、ディスプレイ部の接続部だけでも左右90°傾けられる。

一般的なモニターアームは、机を挟むクランプ部分の下にある手回しネジなどを回して固定する。一方、FLTはアームの支柱を回すことで取り外せる。そのため、机の後ろや下に回り込むことなく外せるメリットがあるとしている。

通常のディスプレイはHDMIやDisplayPortなどの入力ポートを備えているが、FLTはアップストリーム、ダウンストリーム、ACアダプタ給電用のUSB 3.2 Gen 1 Type-Cポートを3基備えるのみと、割り切った構成になっている。
ちなみに、モニターアームは取り外しができ、別途取り付け用金具を付ければ100×100mmのVESA規格にも対応。サードパーティ―製のスタンドやアームに取り付けることもできる。

ノートPCとはUSB Type-Cケーブル1本で接続するだけで、画面表示、USB信号の伝送、PCへ最大60Wの給電を実現する。同社で初めて外部機器からの受動駆動に対応し、ACアダプタを接続していない時でも、接続したノートPCからの給電や別ディスプレイとのデイジーチェーンで動作する。デイジーチェーンは3または4台まで接続可能としている。

さらに、新カラーモード「Ecoモード」を搭載する。周囲の明るさに応じて最適な画面の明るさに自動調整する「AutoEcoView」と、表示コンテンツに合わせてバックライトの明るさを調整する機能「EcoView Optimizer2」を有効にすることで、消費電力は最大60%カットするという。


そのうえ、ディスプレー本体とPCを含む接続機器の消費電力をメニューからリアルタイムに確認できる「消費電力表示機能」を備える。

本製品はライフサイクルのあらゆる段階で環境負荷を低減。部品・材料調達から製造、輸送、ユーザーの使用、廃棄まで製品ライフサイクル全体におけるGHG排出量は、従来機と比較して約32%削減される。

そうしたことにより、消費者向けにエネルギー消費効率を示す欧州エネルギーラベルで最高ランクのClass Aを世界で初めて取得したという。標準消費電力は従来機種の11Wから6Wに削減している。そのため、ノートPCからの給電のみでも動作する。


本体も薄型で従来機種と比較して梱包体積は約42%に縮小することで、積載効率が約1.5倍になり、輸送時のGHG排出量を最大約42%削減できるとしている。
ディスプレイの外装には、使用済みプラスチックをリサイクルした再生プラスチック材を95%使用。梱包材にも再生紙や再生プラスチックなどの環境負荷を低減する素材を採用している。



また、企業としての広範な取り組みも要求される、IT機器の国際総合規格であるTCO Cetified Generation 10を発効と同時に取得している。さらに、製品およびサプライチェーンも含めたサステナビリティの国際的な指標である環境評価システムEPEATにおいて、最高評価ランクのGoldを取得し、気候変動への取り組みを評価するEPEAT Climate+も認定されたとしている。
FLTはサステナビリティの高い法人をターゲットとし、特にドイツを中心とした欧州のお客様はエネルギーラベルを見て製品を選ぶ傾向にあるため、こうした取り組みを行なっているとのこと。
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