3DMarkはかなり高い性能を示した
まずは定番のCPUベンチソフトであるCINEBENCHを使って、CPUの性能をチェックしていく。筆者は世界初のゲーム機型PCであるGPD WINを購入し、その後の製品も一部を除き自分で計測した経験があるため、その過去のデータと比較するため、あえて古いCPUの計測にも対応する「CINEBENCH R20」をいつも使用している。
そこで、今回も「CINEBENCH R20」の結果からみていきたい。

結果は上記のとおり。Ryzen 7 8840Uは前世代Ryzen 7 7840Uのリフレッシュ版で、内蔵されているのはZen 4コアで、RDNA 3のGPUに、NPUがXDNAと同じ構成。AI推論時の性能は強化されているなどの違いはあるが、少なくとも「CINEBENCH R20」では、Ryzen 7 7840Uを搭載する「ONEXFLY」とほぼ同じスコアに収まっている。
次にこれも古い機種との比較用に、かつて軽いベンチマークの代表だった『ドラゴンクエスト10』ベンチマークソフトにてスコアを計測した。古い機種は解像度が1280×720ドットまでだったこともあり、その解像度に合わせて画質は「標準品質」で測定している。

このベンチマークではいろんな設定も試したが、何故かスコアが伸びず、10000を少し超えるスコアに留まっている。それでも、10000超えの最高評価ではある。実は同じ内蔵GPUを搭載する「ONEXFLY」が、かつて異常に低いスコアで個体不良を疑って以前はスコアを掲載しなかった。
今回、以前計測したONEXFLYの計測結果を示すが、ZOTAC ZONEと同じように『ドラゴンクエスト10』ベンチは異様にスコアが低い。ドライバの相性問題があるのかもしれない。
『ファイナルファンタジーXIV』のベンチマークソフトも、これまでのデータとの比較のため、まずは1つ前のバージョン『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のベンチマークソフトでスコアを計測した。

このベンチマークソフトでは、『ドラゴンクエスト10』とは異なり、ZOTAC ZONEはROG Ally Xよりも高いスコアを示している。『ドラゴンクエスト10』と『ファイナルファンタジーXIV』のベンチマークソフトは、インテルの「Intel Iris Xe Graphics」や「Intel Arc graphics」だとスコアが高い傾向にあるので、MSIの「Claw A1M」にはスコアで負けているが、これは想定内といったところだ。
では、最新の『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトではどうだろうか。『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトでは、アップスケーリング機能に対応したため「AMD FSR(FidelityFX Super Resolution)」に設定し、「常に適用」としてスコアを計測。これは、あまりデータを残していなかったので、データが残っていたROG Ally Xのスコアと比較してみた。

『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトでも、『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のベンチマークソフトと同じく、ZOTAC ZONEの方が高いスコアを示した。やはりゲームによっては、「CINEBENCH R20」や『ドラゴンクエスト10』ベンチマークソフトではスコアで負けた「Ryzen Z1 Extreme」搭載機よりも高い性能を示せるようだ。
ストレージについては「CristalDiskInfo」で確認し、「CrystalDiskMark」にて速度を計測した。


ストレージの速度はシーケンシャルリードは5100MB/sを超え、最近の競合製品と同じかやや速いくらい。書き込み速度はやや遅いが、PCIe 4.0としては及第点。特に他の機種と比べて遅いと体感することはないだろう。
一応、定番の総合ベンチマークソフト「PCMark 10」でもスコアを測定していみた。

PCMark 10では若干ROG Ally Xにスコアで差を付けられたものの、総合スコアで7000超えとそこそこ高いスコアを叩き出した。やはり最新のRyzen 8000シリーズのCPUを搭載している後発機として、高い性能を持っていると言えそうだ。
描画性能を計測する定番の「3DMark」だと、前述したスコアとどう変わるかもみてみたい。

3DMarkでは『ドラゴンクエスト10』と『ファイナルファンタジーXIV』のベンチマークソフトでは圧倒的なスコアを出していたClaw A1Mのスコアが振るわず、ZOTAC ZONEはやや「Ryzen Z1 Extreme」搭載の2機種に「FireStrike」ではやや負けしているが、「TimeSpy」ではトップのスコアとなっている。
ただし、このスコアも前述したようにCPUブーストを有効にして、パワーモードを変えて、VRAMを+4にとGPU性能が出やすい設定に変えた結果なので、デフォルト設定ではこの限りではない点は覚えておいて欲しい。
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