文●ハッチ
サードウェーブは2024年9月24日(火)にて、THIRDWAVEブランドより「Lightning-G/Magnate-G」シリーズを、全国のコンピューターショップ「ドスパラ」各店舗、および「ドスパラ」通販サイトにて2024年9月26日(木)より販売を開始すると発表した。

最も安価な構成の「Lightning-G AT5W」はCPUがAMD「Ryzen 5 4500」(6コア/12スレッド、最大4.1GHz)、ビデオカードがNVIDIA「GeForce RTX 3050」、メモリー16GB、1TB SSD(M.2 NVMe)で、価格は9万9800円と10万円を切る。
価格の面ではとても魅力的だが、気になるのはその性能だ。機会があれば検証記事を出していきたいが、スペックからみてどれぐらいの性能で、PCゲームがどのくらい快適に遊べるのかを考察したい。
4K/8K高解像度&レイトレ使わない人なら魅力的な1台
今ホットな話題としては、先日発表されたソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation 5 Pro(PS5 Pro)と比べて、ゲーム性能がどれぐらいなのかが気になるところだ。

PS5 ProのGPUはPS5と比べてCU(Compute Units、演算処理のコア)が67%、メモリーの速度が28%向上し、レンダリング速度が最大45%向上している。

すでにいろんな考察がされているが、PS5はADM Radeon RDNA2ベースのカスタマイズGPUで36CU、最大周波数2.23GHz、10.3TFLOPS。そこから計算するとPS5 ProのGPUは、約60CU、Radeon RX 6800相当と仮定できる。
CPUについては言及されていないので、現行のPS5と同じと仮定すると、Zen 2アーキテクチャーの8コア/16スレッド、最大3.5GHzのカスタムAPUとなる。カスタムAPUなので、単純にPCのCPUと置き換えられないが、数値だけみれば「Lightning-G AT5W」が採用するAMD「Ryzen 5 4500」(6コア/12スレッド、最大4.1GHz)よりもマルチスレッド性能で勝る。
スレッド数が多いということは、複数作業において優位に立つということ。たとえば、PS5はゲームをプレイしながらバックグラウンドで録画をしたり、直接YouTubeに配信もできる。もちろん、単純にゲームをプレイする際のフレームレートにもCPU依存のゲームでは、多少フレームレートを高く維持する効果は期待できるが、そこまで影響は大きくない。
一方で、GPUはあくまで3DMarkの性能で言えば、Radeon RX 6800は、「Lightning-G AT5W」が備える「GeForce RTX 3050」よりも2倍くらいの性能がある。これも、PS5 Proが4K、さらには8Kという高解像度ゲームプレイも見据えていること、さらにはレイトレーシングを有効にしたゲームプレイも可能としているための性能差だ。
もちろん、4Kさらには8Kでゲームをプレイし、レイトレーシングを使ったゲームプレイ(Radeon RX 6800だと4K/60fpsくらいの動作だと思うが)を行なえるパソコンとなると20万円以上になる。それを考慮するとPS5 Proも決して高過ぎることはない。
しかしながら、普段レイトレーシングに対応したゲームをほとんどプレイしない、レイトレーシングに対応していても使っていないという人も多いだろう。4Kはともかく8Kはテレビも20万円以上と高価で、所持している人も少ないだろう。
ともすれば、レイトレーシングに対応したレースゲームやAAAタイトルのアクションゲームや一部FPSゲームをプレイする人以外は、PS5 Proはオーバースペックだ。またPCはPS5 Proと異なり、ネットショッピングやビジネス用途にも利用でき、Windowsで使える膨大なアプリケーションが使えるといったメリットもある。
そのため、解像度は1920×1080ドットで、高フレームレートでFPSができれば良い、レイトレーシングを使わずにPCゲームが快適に遊べればOKという人なら、「Lightning-G AT5W」は魅力的な選択肢になるだろう。
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