文●藤田 忠 編集●ハッチ
PlayStation 5版の発売から1年3ヵ月経過し、ようやく『FINAL FANTASY XVI』のPC版が発売された。本作は『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』や、10月8日発売予定の『SILENT HILL 2』とともに、この秋に遊びたいゲームタイトルとしてあげられる。
そんな『FINAL FANTASY XVI』は、AMD Radeon RXシリーズ、NVIDIA GeForce RTXシリーズに関係なく使え、フレーム生成にも対応したAMD最新の「FSR 3(FidelityFX Super Resolution 3)」をサポートしている。そのうえ、序盤を2時間近くも楽しめる体験版があるので、まだプレイしていない人には、ぜひオススメしたい。
推奨ゲーミングBTO PCも発売され、そのパフォーマンスチェックも行っているが、ここでは筆者が愛用しているポータブルゲーミングPCのASUS「ROG Ally」でプレイを試みてみた。
もちろん、最高画質でキャラがヌルヌルと動く、高フレームレートプレイといった、PC版ならではの楽しみ方が厳しいのは百も承知だが、ポータブルゲーミングPCでまったりプレイは十分ありなのだ。


画質「低」、AFMFを使えば720pプレイが実現可能
まずは、AMD Radeon Graphicsドライバーに、AMD Software: Adrenalin Edition 24.10.21.03(ASUS AMDグラフィックスドライバー V32.0.11021.3002)を導入している状態で軽くプレイしたが、若干厳しい結果になった。
ゲームも重たいのだが、「FSR 3」の目玉機能となるフレーム生成(FSR 3 Frame Generation)を効かせると、ROG Allyではかなりの頻度でスタッタリング(通称カクつき)が発生してしまった。フレーム生成を使うと、Ryzen Z1 Extremeが内蔵するRadeon Graphicsでも、しっかりとフレームレートは伸びるだけに、かなり残念ではあるが、体験版でも同様だった。GPUに割り当てられるGPUメモリー容量や、Ryzen Z1 Extreme内蔵Radeon Graphicsのドライバー最適化が不足しているのかもしれない。
そのため、ここではフレーム生成なしでテストすることにした。画質プリセットは「ウルトラ」「高」「中」「低」の4段階だが、最も低い「低」をメインに設定した。
そのほか「アップスケーリング品質」は「自動」から「バランス」に、「可変レートシェーディング(VRS)」を「無効」に変更している。解像度は、ROG Ally標準設定となる1920×1080ドット(1080p)、1600×900ドット(900p)、1280×720ドット(720p)に設定した。フレームレートは、序盤の森の中を一定ルート移動(60秒)した際を「CapFrameX」で記録している。

結果はごらんの通りで、フレームレートは900pでギリギリ30fps前半と、スムーズにプレイできるとは言えない結果になっている。

AFMFを使えばフレームレートは60fps前後に
Radeonでの快適なゲームプレイに欠かせないAFMF(AMD Fluid Motion Frames)を効かせた場合のフレームレートも確認していこう。画質設定は先ほどと同じ「低」でFSR 3はオフにし、代わりにAFMFを有効にしている。フレームレートはAMD Software: Adrenalin Editionのロギング機能を使って記録した。(※小数点第1位以下は切り捨てている)

AFMFを使用すると900pで60fps前後にまで伸び、720pならスムーズにプレイできるフレームレートになっている。
スタッタリングが解消すれば快適プレイを狙える
一応、「スーパーレゾリューション」で「AMD FSR 3」を選び、フレーム生成を効かせた状態も計測した。ただ、60秒の間に数回スタッタリングが発生することがあり、発生時はフレームレートが数fpsにダウンするので、フレームレートは平均ではなく、95パーセンタイル点を抽出した。

FSR 3のフレーム生成は、AFMFを効かせていない状態でも1080pでプレイを楽しめる可能性を垣間見せる結果となっている。ビデオカードのように、サクッとドライバーの最適化などが進むとは言えないが、AFMF 2への対応を含め、まずはドライバーのアップデートに期待だ。
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