文●ハッチ

小型サイズのPCを数多く展開するMinisforumブランドの中でも、スマホより超小型PCとして「MINISFORUM S100-WLP」が、2024年7月下旬に正規代理店のリンクスインターナショナルより国内販売が開始された。

すでに直販サイトなどでは売り切れ状態で、一部PC専門ショップなどで僅少となっている本製品は、どういった製品でどれぐらいの性能を有しているのか、リンクスインターナショナルに実機をお借りしたので確認してみたい。
サイズの割にインターフェースは豊富
小型PCというと、ASUSがインテルより引き継いだNUCシリーズを連想する人も多いと思う。MinisforumブランドでもNUCに近いサイズのコンパクトなPCはあるが、「MINISFORUM S100-WLP」はさらに小さい。
サイズは58(W)×152(D)×19.5(H)mmでスマホよりも小型を謳うが、最近の6.5インチ以上の画面が大きいスマホよりは小さく、6インチの前後のやや小ぶりのスマホに近いサイズ感といったところだ。

NUCなどよりも超小型というと、インテルが2015年に発売したIntel Compute Stick、いわゆるスティックPCがある。ステイックPCは、Fire TV StickようにHDMIで直接テレビやディスプレイに接続し、Bluetoothのキーボードとマウスで動かすことを前提とした超小型PCだった。
筆者はマウスコンピューターが販売した「m-Stick MS-NH1-64G」を所持していたので、それと比較してみたが、さすがにスティックPCと比べると大きい。体積は倍以上といったところだ。

かつてのスティックPCは、CPUがネットブックに採用される「Atom Z3735F」で、ストレージがSSDではなくeMMCと容量も少なく、クラウドストレージを使うのが前提のような製品だった。
しかしながら、「MINISFORUM S100-WLP」はこのサイズながら、HDMI 2.0と映像出力が可能なUSB 3.2 Type-Cポートを備え、USBのPD給電ができるディスプレイがあれば2画面出力ができる。さらに、ハイエンドなゲーミングノートPCに採用されるような2.5G LANポートを備えている。
「MINISFORUM S100-WLP」が採用したCPUは、TDPわずか6Wと低消費電力なインテル プロセッサー N100(4コア/4スレッド、最大3.4GHz)だ。CPUコアは低電力なEコア(Efficiency Core)のみで構成されているが、4コア/4スレッドで最大3.4GHzとまずまずで、オフィス処理やネット動画視聴くらいなら快適に動作すると思われる。
スティックPCはHDMI出力以外には、マイクロUSBポートが1つか2つとインターフェースも少なく、今よりも古いバージョンのBluetoothで接続した無線マウスとキーボードで操作するのが関の山だった。
だが、「MINISFORUM S100-WLP」はUSB 3.2 Type-C以外に、USB 3.2 Type-Aポートも2つ備え、USBドングルを取り付けられるため2.4GHz接続の周辺機器も利用できる。もちろん、USBハブを使えばより多くの周辺機器を接続して、デスクトップPCライクに使える。





基本はUSB Type-Cにケーブルを接続し、ACアダプターに接続して利用する。しかし、PD給電に対応したディスプレイに接続すれば、USB Type-Cポート1本で給電しながら映像出力ができるという。

また、LANポートから給電できるPoE給電にも対応するため、PoE給電に対応したルーターからLANケーブル経由でも給電できる。残念ながら借りれる期間が極端に短かったため、これらの給電方法は試せていないが、AC電源で給電し辛い場所でも使えるのは、屋外でのサイネージやイベント利用などで役立ちそうだ。
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