大抵のPCゲームはWQHDでも60fps以上で動作!
次に未だに重いPCゲームとして定番となっている『サイバーパンク2077』のゲーム内ベンチマークでの結果を見ていきたい。画質設定は「高」にし、レイトレーシングはオフ、DLSSを「自動」にして各解像度で計測した。


4Kだと平均44.31fpsとやや低いが、それでも30fpsを余裕で超えているので立派。WQHDになれば平均74.62fps、最低FPSも62.88fpsと60fpsを超えているので、それなりに快適に動作することが分かる。
では、根強い人気のFPSゲーム『Apex Legends』ではどうだろうか?『Apex Legends』は画質のプリセットがないので、ゲーム起動時のデフォルト設定をベースに垂直同期をオフにし、解像度適応の目標fpsを「0」にして、CapframeXにてフレームレートを計測した。最小値は99パーセンタイルの値を参照している。



『Apex Legends』は解像度が3840×2160ドットの4Kでも平均96.7fpsと割と高いフレームレートで動作している。WQHDとフルHDは最大値が瞬間的に上がったフレームレートを拾っているのか144fpsを超えているが、計測はリフレッシュレート144Hzのディスプレイで行なっているため、平均フレームレートは頭打ちになっている。
最小フレームレートもどちらも110fpsを超えているため、ほぼラグを感じることなく、ヌルヌルと滑らかな映像でゲームが楽しめるだろう。
PC用完全版として高い評価を得ているオープンワールド時代劇アクション『Ghost of Tsushima Director’s Cut』は、画質を最大の「非常に高い」とし、DLSSの「クオリティ」設定でフレームレートをCapframeXで計測した。


『Ghost of Tsushima Director’s Cut』は4Kでもフレームレートが平均51.5fpsと割と高めで動作している。解像度がWQHDであれば平均100.5fpsと100を超えて来るので、画質設定次第ではWQHDでも120fps以上が狙えるだろう。
今度は基本無料のTPSアクション『The First Descendant』での動作を見ていきたい。画質は「中」、DLSS「パフォーマンス」設定にして、ヴォイド戦でのフレームレートをCapframeXで計測している。


解像度が4K高画質の場合は動作に明らかな重さを感じ、画面がカク付くシーンもあったが、WQHDでは平均66.5fpsとまずまず。WQHDでも遊べなくはないが、高リフレッシュレートのディスプレイを活かすなら、平均95.5fpsとより滑らかな動作でプレイできる、フルHDがオススメだ。
ちょうど、検証をしている際に2025年配信予定のロボット対戦アクションゲーム『Mecha BREAK』のベータテストが行われていたので、どの程度動くのか試してみた。もちろん、あくまで2024年8月13日までのベータテスト版での計測結果のため、正式版での動作とは異なるだろうが、今後PCを購入する際の1つの参考として欲しい。画質設定は「最高」にして計測している。


『Mexha BREAK』は4Kだと最小値が20.5fpsと30fpsを下回る。実際に画面がカク付くシーンも多かった。WQHDではマシにはなるものの、やはりまだ滑らかさを感じ辛い。フルHDであれば、平均59.4fpsとほぼ60fpsでプレイできる。
ただ、現状本作は出撃シーンがやけに重く、ティアリングが発生したり、大幅にフレームレートが下がったり、画面が一瞬止まるなどの動作が起きていた。また、別のPCでも試して検証した限りでは、どうやらある一定以上GPUに余裕がないと、垂直同期がオフでも平均フレームレートが60fps前後付近に抑えられて動作するようだ。
ROG NUC 970が搭載するGPUは、モバイル向けつまりはノートPC用のGeForce RTX 4070だが、デスクトップ向けのGeForce RTX 4070 Super搭載PCでは、フルHDで平均fpsが100を超えていた。
そのため、ゲーミングノートPCで高リフレッシュレートのディスプレイを活かしたいなら、GeForce RTX 4080 Laptop GPU以上あると良さそうだ。Steamに記載されている推奨スペックは、GeForce RTX 3060とあるので、これがフルHD&60fps保証の目安であるならば、おさらく今回の結果は正式版でも大きく変わらないと思われる。
余談だが、画質を「最低」にして解像度を1280×720ドットのHDまで落としたら、平均89.2fpsで動作していたが、大分画面が眠くなる。画質か動作の滑らかさなのか、そこを天秤にかける必要はあるが、十分遊べるだけのスペックは有しているとは言えるだろう。
最後に2024年8月20日発売予定のアクションRPG『Black Myth: Wukong』(黒神話:悟空)の動作を見ていきたい。本作は発売前にSteamにてベンチマークソフトが公開されている。そのベンチマークソフトを使って動作を確認してみた。
本作はメニューに「推奨画質を適用」という項目があるが、これは画質設定を最も高い「超高」にして、サンプリング解像度を下げてフレームレートを確保する機能になっている。決して、「推奨画質を適用」を実行することで、どの解像度でも平均60fpsを維持する設定に自動で変わる訳ではないようだ。
そこで、画質は「中」、サンプリング解像度を「50」とし、DLSSも有効にしたうえで各解像度でフレームレートを計測してみた。


画質を中まで落とし、サンプリング解像度を「50」まで落とせば、4Kの高解像度でも平均65fpsと60fpsで動作する。フルHDまで解像度を落とせば、平均が101fpsと100fpsを超えて来る。
筆者はメディアの先行体験会でもプレイしているが、本作はいわゆる西遊記を題材とした死にゲーで、如意棒で戦う主人公・孫悟空は、防御が使えないため、基本敵の攻撃は回避し続ける必要がある。
そのため、ラグやティアリングが発生する環境では、快適に戦闘に望めない。せめて、最低フレームレートが60fpsを超える環境でプレイしたいので、今回の設定をベースに調整するのが良さそうだ。
省スペースで高性能なゲーミング環境を構築したい人にはオススメ
ROG NUC 970はインテルのモバイル向けとしては現行最高クラスのCPUを搭載し、ミドルクラスのGPUにより、最新のPCゲームをWQHD以上の高解像度で遊べるポテンシャルを秘めたゲーミングPCだ。
より小型の他のNUCに比べてインターフェースも豊富で、4Kディスプレイを同時に4画面出力できるなど汎用性も高い。また、小型ながらオンラインゲームプレイでは重要な、高速通信が可能な2.5G LANも備えている。
最近、この手のハイエンドな製品を紹介する際は、円安の影響もありネックは価格と毎回言っているような気もするが、ROG NUC 970は高性能な分決して安くはない。しかしながら、スペックが同じくらいのゲーミングノートPC(一部のセール品以外)は、同じくらい以上の価格にはなる。
ゲーミングノートPCはディスプレイを備えるが、本機よりはインターフェースが少ない。持ち運んでディスプレイのないところで使いたい人はノートPC一択だろうが、宅内の省スペースでガッツリ自分の好きな周辺機器でゲームをプレイしたい、キャプチャ―ユニットやミキサーを繋いで、ガッツリ配信もしたいといった人には、ROG NUCはオススメできる。
使用しているゲーミングPCの性能が追い付かなくなり買い替えを考えている、できるだけ省スペースに置けて、最新PCゲームが快適に動くPCが欲しい、と考えているハイエンドユーザーはCora Ultra 7搭載モデルとどちらを購入するか検討してみるのも良いかもしれない。
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