eGPUボックスでGPU性能がアップ!
ROG Ally XではせっかくUSB4対応になったので、サードパーティ―のeGPUボックスを接続して使えるのかを確認してみた。使用したのはGPUにモバイル向けのAMD Radeon RX 7600M XTを採用した、GPD社の「GPD G1」(2023年度版)だ。

簡単に性能差を確認するため、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマークソフトを使って、スコアを比較してみた。黄金のレガシーのベンチマークソフトは、従来のものと異なりアップスケーリングを有効にできるため、画質は「標準品質(ノートPC)」をベースに、FSR(AMD FidelityFX Super Resolution)を「常に適用」設定にして計測している。

ROG Ally XのみではフルHDで「やや快適」、HDで「快適」評価までだったが、GPD G1を使用するとフルHDでもスコアが13344と1万を超え、最大評価の「とても快適」となった。
このようにeGPUボックスを使うことで、搭載されたdGPUを活用して、一般的なゲーミングPC並みの性能になる。しかし、GPD G1を接続して対応ドライバをインストールした後に、GPD G1を外して起動したところ、ROG Ally Xの内蔵GPUが不具合を起こした。
再インストールでも正常に戻らなかったので、初期化するはめになった。このようにGPUドライバが2つインストールされると不具合が起きることもあるので、PCにあまり詳しくない人にはオススメしにくい。もちろん製品の相性もあるとは思うが、自己責任で使用するようにしよう。
従来機の不満点を解消して完成度を高めた傑作機
ROG Ally XはCPUの変更こそないが、従来機よりもメモリとSSDの容量が増え、メモリ依存のゲームに関しては、明らかに快適度が増している。今回は時間の関係上計測していないが、以前にかつて定番だったバッテリベンチソフトBBenchでROG Allyの駆動時間を測定したところ4時間54分29秒だったので、単純に倍とはいかないだろうが、容量が2倍になった恩恵も大きいだろう。
また、従来機で問題になったmicroSDカードスロットの位置が変わり、USB4が追加された点も見逃せない。eGPUボックスは上級者向けとしても、USB4接続のストレージやUSBハブを使用できるのはうれしいところ。USB Type-Cが2つになったことで、充電しながら別のUSB周辺機器が使えるのも大きい。
たとえば、今後増えつつあるワイヤレスイヤホンやヘッドホンのUSB Type-C接続ドングルを挿して、すぐに使えるなど活用の幅が広がった。
画質設定次第では、最新のPCゲームが遊べる性能を有しているほか、もちろんほかのゲーム機型PCと同じくクラウドゲーミングやリモートプレイで重量級のゲームを手元で遊べる。
ややサイズアップして重くなったと言っても、Legion GOなどの8インチ以上のより大きな製品よりは断然軽く、手軽に遊ぶモバイル機としての魅力は損なっていない。ただし、価格は13万9800円と、円安が進んでいる影響もあるだろうが、やや従来の10万円弱よりは高価になっている。
この価格帯なら少し金額を加えてゲーミングノートPCなどを購入した方が良いのでは、と悩む価格になっているのは残念。とはいえ、既存のゲーム機型PCの中でも完成度は高いので、何か1台欲しいという人にとって魅力的な製品なのは間違いない。
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