文●ハッチ
ASUSは2024年7月24日にゲーム機型PCの最新モデル「ROG Ally X」を発売する。価格は13万9800円。

ゲーム機型PCはクラウドファンディングを実施して、中国のインディー企業が発売し始めたが、大手グローバル企業としてはASUSが初めて2023年6月14日にAMD「Ryzen Z1 Extreme」搭載のROG Ally(型番:RC71L-Z1E512)を発売した。
2022年にSteam Deckが東京ゲームショウに出展して注目を集めたタイミング、そして当時としてはスペックの割に10万円弱というコスパの高さから、ROG AllyはBCN調べのモバイルPC部門で売り上げ1位を獲得するなど人気を博した。
ROG Ally XはそんなROG Allyの後継機となる。ASUSは後にCPUをAMD「Ryzen Z1」にし、9万円切りに抑えたROG Ally(型番:RC71L-Z1512)も発売したが、ROG Ally XはAMD「Ryzen Z1 Extreme」を採用している。
今回、ROG Ally XをASUSから事前にお借りしてレビューする機会を頂いたので、従来機とどれぐらい変わったのか、性能面も含めて確認していきたい。
CPUは同じだがメモリやSSD、バッテリは増量
前述したようにCPUは、AMDがハンドヘルド向けと謳う「Ryzen Z1 Extreme」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz)を採用している。

メモリはLPDDR5-6400の16GBから、LPDDR5X-7500の24GBに変更。SSDはPCIe 4.0の512GBから1TBに容量がアップした。従来機はType-2230と小型なSSDを採用していたが、ROG Ally Xでは一般的なPCで採用しているType-2280になっている。
従来のROG Allyでは、容量が心もとないとSSDを換装するユーザーもいたが、Type-2280と汎用性の高いSSDになったことで、換装する選択肢の幅が広がっている。
また、バッテリ容量は40Whから80Whへと倍となり、重いゲームでも公称約3時間、動画再生で約11.7時間と長くなった点も見逃せない。ただし、サイズは幅や奥行は大きく変わらないが、高さが最大32.43mmから36.9mmと4mmほどサイズアップしている。重量も608gから678gと増えているが、バッテリ分と考えれば納得だ。

一方、ディスプレイは7インチのTFTカラー液晶のグレアパネルで、解像度が1920×1080ドット、リフレッシュレートが120Hz、輝度が500nitsと、従来機と変わっていない。AMD FreeSync Premiumにも対応する。
サイズや重量は上がったが、従来機よりも23%小型化した2つのファンと、50%薄くなったファンブレードを備え、内部のスペースを確保している。そのため熱が効率よく循環し、上部にある3つの通気孔から強力に排出され、エアフロ―が最大24%増加、ディスプレイの温度が最大6度低下するなど、冷却性能も向上している。
また、通気孔をダストフィルターで覆い、本体劣化の原因となる異物混入を防ぎながら、ファンの騒音を30db以下に保てるとしている。さらに、Wi-FiはWi-Fi 6Eと従来機と同じだが、Bluetoothが5.2から双方向通信が可能な5.4に変わっている。
「ROG Ally X」の主なスペック | |
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ディスプレイ | 7インチTFT(1920×1080ドット、120Hz、500nits、グレア) |
CPU | AMD「Ryzen Z1 Extreme」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz) |
メモリ | 24GB(LPDDR5X-7500) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 4.0、Type-2280) |
インターフェース | USB4(Power Delivery対応)、USB 3.2 Gen 2 Type-C(Power Delivery対応)、microSDカードスロット、3.5mmコンボオーディオジャック |
無線機能 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4 |
駆動時間 | 約11.7時間(動画再生時)/約22.4時間(アイドル時) |
サイズ/重量 | 280.6(W)×111.3(D)×36.9(H)mm/678g |
OS | Windows 11 Home |
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