ROG Phone 8 Pro Editionの性能は初代の5倍!?
ではROG Phoneが8になって、どれぐらい性能が向上したのかを検証してみたい。用意したのは、これまで比較してきた筆者が所持している初代のROG Phoneと、ROG Phone 3、ROG Phone 6に、ASUSよりお借りしたROG Phone 8、今回購入したROG Phone 8 Pro Editionの計5種類だ。以下が、検証に使用したスマホの主なスペック。なお文字数が多いので、ROG Phone 8 Pro EditionはROG Phone 8 Proと記載している。

初代ROG Phoneからして解像度が2160×1080ドットと高かったが、ややディスプレイサイズが変わり、リフレッシュレートが高くなっている。また、プロセッサだけでなくストレージの規格、OSバージョンも異なるため、あらゆる性能で差が生じる。
本検証はゲームプレイ時に最高設定で遊ぶだろうという想定のもと、いずれも「Xモード」にして計測。基本冷却クーラーは使用していないが、ROG Phone 8については、メモリとストレージ容量の差だけでは、スコア差があまり変わらないと考えられる。
そこで、ROG Phone 8 Pro EditionならAeroActive Cooler Xが付属していることが、無印との違いでもあるので、ROG Phone 8 Proは冷却クーラーであるAeroActive Cooler Xに接続し、最大冷却モードである「フローズン」にして計測している。
ちなみに、ROG Phone 6以前のモデルは、筆者が普段使いをしていたため経年劣化もあるので、新品同様のスコアではないと考えられる。その点はご了承頂きたい。また、スマートフォンはOSやドライバアップデートにより性能が変わるため、計測を実施した2024年5月末から6月中旬までの期間での、最新状態での結果となっている。
まずは、スマートフォンでは定番となっている「AnTuTu Benchmark」の総合スコアから見ていきたい。


さすがに2倍とまではいかないが、ROG Phone 8 Proは2年前に発売された2世代前のROG Phone 6よりも約7割以上スコアで差を付けた。2018年と6年前に発売された、当時は最高クラスの性能を誇っていた初代ROG Phoneからは、5倍と圧倒的な差を付けている。
次は総合ベンチマークソフトのPCMarkのWork 3.0ベンチマークで比較。


PCMarkではAnTuTu Benchmarkほどのスコア差は出ていないが、しっかりと差が出ている。クーラーで冷やしているゆえかROG Phone 8はROG Phone 8 Proに1000ほどスコアで差を付けられている。そのため、クーラーは高い性能を維持するのに有効であることを示している。
CPUとGPUの性能を計測できるクロスプラットフォーム対応のベンチマークソフト「Geekbench 6」では、CPUとGPUそれぞれのベンチマーク機能で性能を計測してみた。GPUは古いAndroidゲームが多く採用しているグラフィックAPIの「OpenCL」と、新しい世代のAPI「Vulkan」の両方でテストしている。




ROG Phone 8 ProのCPU性能は、ROG Phone 6よりもマルチコアで6割以上高いスコアを示し、初代ROG Phoneからは3.7倍という高い性能を見せた。GPUはROG Phone 8 ProがROG Phone 6よりもVulkanでも2倍以上の性能差を見せている。
4年前に発売されたROG Phone 3では、OpenCLよりもVulkanの方が高いスコアを出している。しかし、ROG Phone 3以前の世代では、OpenCLとほぼ変わらないかやや負けている。スコアがそのまま同じ快適度に直結する訳ではないだろうが、4年より前のスマホはVulkanベースの新しいゲームで、パワー不足に陥る可能性がありそうだ。
また、何故か何度計測してもGPUベンチマークのスコアは、ROG Phone 8 Proよりもクーラーを装着していない、ROG Phone 8の方が誤差範囲だが、やや高いスコアなのが少し気になった。Geekbench 6では高いメモリ容量が上手く機能しておらず、足かせにでもなっているのだろうか……。
ストレージもROG Phoone 8 ProはROG Phone 6の3倍も高速!?
今度は、ストレージの性能をAnTuTu Storage Testと、PCでは定番のCrystalDiskMarkのような計測が可能なCPDT Benchmarkで計測した。CPDT Benchmarkに関しては、単位を揃えてグラフにすると、逆に見づらい数値差があるので、各計測結果をそのまま画像で示したい。
ストレージの速度は1回目と2回目では、キャッシュの関係で速度が大幅に変わることがあるので、2回目以降で結果が異常値ではなく良いものを採用している。



まずはAnTuTu Storage Testのスコアを見ていくと、UFSバージョンどおりの結果となった。UFSとはNANDフラッシュメモリをベースにコントローラを搭載したストレージ規格。かつての安価なPCにも採用されていたeMMCから変わって、現在のスマートフォンの主流になっている。
バージョンが上がるごとに相対的に速度が向上しているが、特にシーケンシャルライトは、UFS 3.1のROG Phone 6より、ROG Phone 8 Proは3倍の速度を示している。ストレージは容量が多い方が公称速度でやや速いものもあるが、空き容量がそれだけ多くなるので、速度低下が少なく、結果より速度が出やすい。
そのため、ROG Phone 8 ProはROG Phone 8よりも全体的に速度が速い。シーケンシャルリードやランダムライトに関してはやや負けているが誤差範囲で、計測回数によって上下すると覚えておいて欲しい。





CPDT BenchmarkはAnTuTu Storage Testよりも結果の揺れが大きい。時々、一部が異常に高い数値を出すことがあるので、何度か計測して何度か同じ傾向を示した結果を採用している。そのため、たまに旧世代に負けている項目もあるが、概ね全体的に規格が上がるごとに速度が向上している。
この結果ではROG Phone 8 Proは、シーケンシャルライトでROG Phone 6の3倍も速度差を見せていないが、4割ほど速く、シーケンシャルリードは6割ほど速い。この時のROG Phone 8 Proはランダムリードで異常に高い数値を見せているが、これを度外視として考えれば、無印のROG Phone 8とほぼ近い速度なので、同じ規格のストレージを採用しているのが分かる。
コメント
コメント一覧 (4件)
世間の評価が予想より遥かに下回ってるイメージかな。
やっぱキャリアで売れないと色々弱いんかな。
ROG8はゲーミング特化ではなく普段使いのスマホとして前機種のROG7から大幅なコンセプトチェンジをしたので、比較するのであればROG7も含めないと意味が無いのではないでしょうか?
とはいえROG8には最新のSoCを搭載しているので性能ではROG8の方が勝るでしょうが、冷却性能を含めてROG7とどれほどの差があるのか気になりますね。
おっしゃられるとおり、できれば1つ前の製品との比較はしたかったですが、今回は時間の関係もあり、自分の私物のみで検証を行いました。なかなか旧製品は借りれないこともあるので、確認してみないと分かりませんが、借りれる機会があれば検討致します。ご意見ありがとうございます。
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