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キーボードがない不便を解消する機能が光る!ゲーム機型PCでは初Core Ultra&Wi-Fi 7を採用した「MSI Claw A1M」レビュー

クイックセッティングで手早く設定を変更できる

 右側にあるクイックセッティングボタンを押すと、画面右に輝度やサウンド、操作設定などを変更できる「クイックセッティング」が表示される。これも、各社UIや機能は若干異なるが、最近のゲーム機型PCには大抵ある機能だが、Claw A1Mには「電源」の項目がある点が面白い。

クイックセッティングには、「電源」や「パフォーマンス設定」、「操作設定」の他、キーボードを呼び出したり、Wi-FiやBluetoothをワンクリックでオフにする機能も備えている

 Windows搭載PCは、Nintendo Switchなどのゲーム機とは異なり、中身はPCだ。動作がフリーズしてしまった場合は仕方なく電源ボタンの長押しで強制終了できるが、実はこの行為はデータを保存するストレージ、この場合SSDにダメージを与え、最悪の場合は起動しなくなる恐れがある。

 そのため、動作不良になった場合は、できればシステム的にシャットダウンまたは再起動したいところ。キーボードがあるPCであれば、ショートカットでタスクマネージャーを呼び出す、といった手段も有効だが、ゲーム機型PCの場合はそうもいかない。

 しかし、Claw A1Mではクイックセッティングにある「電源」から、シャットダウンや再起動が選択できる。これは地味だが、キーボードがないゲーム機型PCにはマストで欲しい機能だと感じた。

 また、「タスクの終了」では、起動中のアプリを終了させられる。PCゲームによっては、フルスクリーン時に終了させるのが手間な場合がある。キーボードがあれば「Alt」+「F4」で強制終了する手もあるが、キーボードのないゲーム機型PCでは使えない。

 筆者はそのため他の機種では、カスタムキーに「Alt」+「F4」を登録していたが、本機ではこの「タスクの終了」で、手早くゲームを強制終了できる(もちろんマクロ機能で「Alt」+「F4」の登録もできる)。これも競合機種にはない機能であり、ソフトがフリーズしただけならば、前述した「電源」ボタンで再起動をしなくても、フリーズしたアプリのみを強制終了できるのでありがたい。

クイックセッティングでは、スライドさせると他の機能も表示される。「タスクの終了」の他には、「すべてのウィンドウを表示する」といった変わった機能もある。隠れたウィンドウを探すのに便利な機能だが、これも本来キーボードがないと使えない。こうした、キーボードがないと使えない、かゆいところに手が届く機能が用意されている

 「リアルタイムモニター」では、ゲームのフレームレート(FPS)やバッテリー残量、CPU消費電力、システム消費電力などの情報を表示できる。また、3段階で表示する項目を増やしたり、減らしたりできる。

CPU消費電力などは、ゲームごとの動作を見る際には必要だが、普段使っている時はFPSとバッテリー残量だけを表示しておくのが良さそうだ
高品質なスピーカーに加え、競合にない機能を備えた利便性の高い1台

 MSI Claw A1Mは、ゲーム機型PCとしては、初めてインテルのCore Ultraプロセッサー&Wi-Fi 7を採用した製品。Wi-Fi 7対応ルーター一部メーカーが既に発売しているが、この5月から随時国内メーカー製も販売される。

 Wi-Fi 7は、現在まだ主流の5GHz帯よりも帯域が広く、干渉が少ない6GHzが使えるため、劇的に無線LAN通信速度が改善・向上することが期待できる。Wi-Fi 7は今後デフォルトスタンダードになっていくとは思うが、現状販売が確定しているゲーム機型PCでの採用はない。

 ともすれば、Claw A1MはWi-Fi 7ルーターも用意すれば、しばらくは最速でゲームをダウンロードし、クラウドゲームを遅延の少ない快適な環境で遊べる唯一のゲーム機型PCとも言える。

 独自のシステム管理アプリも必要最低限が揃っているうえに、クイックセッティングには、今までありそうでなかった、キーボードがないと手早く使えない電源やタスクの終了、ウィンドウの表示などが用意されている点も、地味に嬉しい。

 また、ゲーム機型PCにしては、迫力ある低域が響くスピーカーに、サウンドユーティリティ「Nahimic」も備え、高価なゲーム用ノートPCさながらの音質でゲームが楽しめる。

 インターフェースはUSB Type-Cだけと少ないが、Thunderbolt 4に対応するため、USB 3.2 Gen 2 Type-Cしか持たず、Thunderbolt対応のサードパーティー製のeGPUボックスが使えないROG Allyとは異なり、eGPUボックスでGPUの底上げもできる。

 価格はCore Ultra 7搭載機が13万円台と、若干高めだがストレージ容量や最新のWi-Fi 7を備える点を考えれば妥当か、コスパが高いとも言える。個人的にはこれはこれでアリだが、前述したようにややグリップが大きいのもあるので、特に手が小さい人などは、一度展示されている量販店で触ってみてから購入すると良いだろう。

 また、世間的には期待したほどGPU性能が高くなかった、という評価なので、その点だけが気になるところだ。とても記事が長くなりそうなので、どういったゲーム用途で使えるのかや、気になる性能については、別途記事を作成するので、今しばらく待っていて欲しい。

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