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フルHD/240Hz出力のゲーム機型PCドックUS3C-GCHD/HNを複数製品で試してみた

文●ハッチ

 アイ・オー・データ機器は、近年流行りのポータブルゲーミングPC用ドック「US3C-GCHD/HN」を3月21日に発売しました。

 US3C-GCHD/HNはSteam DeckやROG Allyを立てかけ、USB Type-Cに接続。HDMI、LANポート、USB Type-A、USB Type-Cを拡張し、ディスプレイと接続することで、デスクトップPCとして使えるようにするドッキングステーションです。

サイズは約132(W)×72(D)×31(H)mm。他社製は140mm以上の製品も多いなか、割とコンパクト
本体接続用のUSB Type-Cには、カバーもされていた。こういった配慮も日本製らしく安心感があります。ケーブル長は20cm

 実売価格は7300円前後。本製品は同社のゲーミングディスプレイGigaCrystaシリーズにて動作確認していて、フルHD(1920×1080ドット)で240Hz、WQHD(2560×1440ドット)で120Hz、4K(3840×2160ドット)で60Hzのリフレッシュレートに対応。

  USB PowerDelivery(最大100W対応)に対応するため、ポータブルゲーミングPC(ゲーム機型PC)付属のACアダプタで充電しながらゲームがプレイできるのが主な特徴です。

主な仕様(公式サイトから抜粋)

 対応機種はUSB 3.2 Gen2 Type-Cコネクターを上部に備えたWindows 11搭載のゲーム機型PCまたはSteam Deck(SteamOS 3以降)です。

 この手の製品は、Steam Deck登場以降数を増やしていますが、フルHDで240Hzを明記している製品はなかったはずです。スペック上はHDMI 2.0以上に対応していれば、フルHD/240Hzの表示ができるはずですが、動作確認済という点は安心できるでしょう。

 今回、アイ・オー・データ機器から製品をお借りすることができたので、実際に複数のゲーム機型PCで使ってみた、その使用感を簡単に紹介したいと思います。

インターフェースの数は一般的

 利用できるインターフェースはHDMI出力、USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、LANポートと標準的。USB Type-Cは2つありますが、1つは給電用なので、実際に使えるのは1つです。LANポートは1000BAASE-T、つまりは1Gbpsまで対応しています。

一番左のUSB Type-Cは充電用。その後にHDMI、LANポート、USB Type-A、USB Type-Cと続きます
左側にUSB Type-Aを1つ搭載

 利用できるインターフェースはHDMI出力、USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、LANポートと標準的。USB Type-Cは2つありますが、1つは給電用なので、実際に使えるのは1つです。LANポートは1000BAASE-T、つまりは1Gbpsまで対応しています。

 この手の製品の多くはインターフェースがすべて背面にあるなか、本製品ではUSB Type-Aを1つだけ左側に配置しています。その分横幅が短めで、コンパクトにまとまっている印象です。

 右利きの人の場合、右側にUSBポートがあった方が便利、と思う人もいるかと思いますが、有線のキーボードやマウスのケーブル長は、デスクの下にPCがあった場合などを想定して1.5m以上と、そこそこ長めです。

 そのため、右側だと余ったケーブルが右側でごちゃつくので、左側に挿して後ろを回した方がしっくりくるかもしれません。また、正面に置く必要性はないので、左側を手前に置いた際には、手元にUSBポートが来るので、そこにケーブルを挿して取り回せば、デスク回りがしっくり来るのでオススメです。

 私の持っているゲーム機型用ドックは、やや古い底面のUSBポートに挿して充電するタイプのものばかりでしたが、そうした製品とも比較してみました。GPD WIN 3用のドックやAYANEO AIR用のドックは、底面が接触する部分にUSB端子があり、底面にUSBポートがなくSteam DeckやROG Allyでは使用できません。

 そのうえ、US3C-GCHD/HNのようにゴム製の滑り止めもなく、横に傾けると簡単に滑り落ちる構造でした。しかしながら、US3C-GCHD/HNはゲーム機型PCの底面と背面に当たる部分にゴム製の滑り止めがあるので、ある程度本体の奥行きがスリットよりも小さくても、ズレ落ち辛くなっています。

ゲーム機型PCを立てるスリットには、ゴム製の滑り止めが取り付けられています
奥がGPD WIN 3用のドック。幅はそれほど変わりませんが、背面が低いながらもゴム製の滑り止めが効いていて、フィット感はUS3C-GCHD/HNの方が高いと感じました
奥がAYANEO AIR用のドック。AYANEO側はマイクロSDカードスロットもありますが、その分やや見た目以上に大きい感じ。USB端子もあるため、汎用性には欠けます
台湾のUnitek社製の冷却ファン付きドックとも比較。横幅はUS3C-GCHD/HNの方があるものの、ファンがある分堆積では奥のドックの方が大きく、US3C-GCHD/HNの方がコンパクト

最新のゲーム機型PCにはぴったりフィット

 では、実際にいくつかのゲーム機型PCを取り付けた様子を見てみましょう。まずはROG Allyから。

 公式にてROG Allyでは使えると謳い、発表会でも展示していただけあって、割としっかりとフィットした感じ。スリットよりはROG Allyが若干余裕があるため、手で揺らすとカタカタしますが、これぐらいはマージンがないと逆に取り外し辛かったり、スリ傷が付いたりする気もするので、ちょうど良い感じでしょう。

 次はROG Allyからの買い替え需要もあるONEXFLYを見てみましょう。この製品は私物ではなく、天空さんから別件でお借りしている製品です。

 スリットに収まる部分の奥行きは、ROG Allyよりも若干あるため、よりUS3C-GCHD/HNにフィットした感じ。とはいえ、まだ余裕があるため、何の心配もなく利用できます。これは、あしらったようにフィットするのでオススメできそうです。

 今後は重量約398gと軽量なAYANEO AIRを使ってみました。

 前述した2製品よりもスリムで軽い本体のため、より余裕があり、画面がさらに後ろに倒れ込んでいますが、ゴム製の滑り止めがあるため、簡単に横から滑り落ちる心配もなく使えました。本体と接続用のケーブルがROG Allyよりもやや弛んだ感じになっていますが、十分実用的です。

 今度は天空さんから長期でお借りしているONEXPLAYER AMD版も試してみましょう。こちらは8.4インチとONEXFLYよりも画面が大きく、縦幅もあります。

 ONEXFLYより窮屈な感じですがジャストフィット。本体の重みもありますが、倒れ込むほどではなくしっかりと画面を立てて使えました。充電ケーブルは届いていて、あまり余裕がない感じだったので、さらに画面が大きい今予約受け付け中の最新モデルONEXPLAYER X1は、さすがに厳しいかもしれません。ギリギリ届くかもしれませんが……。

 ちょっと意地悪して、着脱式のコントローラーを付属できる、ノートPC型(クラムシェル)のOneGx1でも試してみました。

 OneGx1はONEXFLYと同じく7インチディスプレイ。写真のように立て、背面のUSB Type-Cポートに接続すれば使えなくはないですが、やや無理な形に。また、背面がやや斜めになっていて、下にいくほど盛り上がっているので、若干USB端子が挿し辛い感じです。

 7、8インチのノートPC型のゲーム機型PCには、使えなくはないようですが、スリットのない一般的なドックを使った方が良さそうです。

 最後にダメな例として、USB Type-C端子が底面にあり、さらにスライド式のキーボードを内蔵するため奥行きのあるGPD WIN 3を試してみました。

 ディスプレイを接続して使うのなら本体の画面が反対になろうが関係はないのですが、GPD WIN 3は底面にUSB Type-Cがあるため、写真で示したように底面を上にして接続する必要があります。

 しかしながら、そもそも奥行があるため本体がスリットに入らず、上に乗ってしまう形に。それでも背面の滑り止めである程度固定されますが、使えるとはとても言えないので、キーボードを内蔵する今後登場予定のAYANEO SLIDEなども、スリットに入らない可能性は高そうです。

最新の7、8インチモデルには概ね対応

 US3C-GCHD/HNは、Steem DeckやROG Ally、ONEXFLYといった7~8インチのディスプレイを搭載したゲーム機型PCの多くに対応。ゴム製の滑り止めがあるため、ある程度の奥行の製品がきちんと固定され使える製品に仕上がっています。

 今回はフルHD/240Hzのディスプレイを用意できなかったので、映像出力テストはできていませんが、少なくとも120Hzのディスプレイではきちんと120Hzで使えていたので、マウスやキーボードを接続して、ゲーム機型PCで快適に動作するPCゲームをプレイするにはオススメできます。

 USBのマウスやコントローラー、USB Type-Cのドングル接続のワイヤレスイヤホンなどを使う想定で購入するのはアリでしょう。

 ただし、多くのドックと同じくUSB Type-Aは2つしかないので、ゲームはコントローラーで基本プレイするスタイルなら、USBドック1つでマウスとキーボードが接続できるワイヤレス製品を使うのもオススメです。

ロジクールのキーボードとマウスのセットなどがオススメ

 価格は7300円前後と、既に発売され価格が下がり始めた競合製品よりも若干高めですが、及第点のお買い得さ。背が低めでコンパクトにまとまっている製品でもあるのと、フルHD/240Hzを動作保証している製品としてオススメできる1台です。

●関連サイト

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