Razer Edge Wi-Fiは連続使用でもスコア低下が少ない
最後にRazer Edge Wi-Fiに性能をベンチマークソフトなどでチェックしていきたい。まずは定番の「AnTuTu Benchmark」のスコアをチェックする。
性能の比較として、筆者が普段使いしているゲーミングスマホASUS「ROG Phone 6」と、ソニーのハイエンドスマホ「Xperia 5 IV」を用意した。検証は3回連続して行い、その平均値を算出している。ROG Phone 6はいずれのテストもXモードを有効にして計測している。



ROG Phone 6は2021年に登場したQualcommの最上位Snapdragon 8+ Gen 1を搭載し、高い冷却性能も相まって最も高いスコアを叩き出している。Xperia 5 IVもSoCはSnapdragon 8 Gen1と高性能なためか、総合スコアではRazer Edge Wi-Fiが劣っている。
ただし、Razer Edge Wi-FiはGPU性能やメモリ、ストレージ性能はXperia 5 IVにやや劣るものの、CPU性能では勝るといった結果になった。
では、そのCPU性能は果たして総合的な性能にどう影響が出るのか、今度はスマホの総合的な性能を計測する「PCMark」で比較した。

やはり、ここでもゲーミングを強く謳うROG Phone 6が他2機種よりも3000以上高いスコアを示したが、Razer Edge Wi-FiはXperia 5 IVに平均で勝っている。スマホの性能は本体の熱の持ち方でも変わる。冷却性能が追い付いていないと、CPUがいわゆる熱ダレを起こし、熱暴走をしないように性能が低下する。
そのため、ベンチマークソフトの計測も、それまで何も負荷をかけていない状態(アイドル時)よりも、連続に実施して熱を持ち始めた時の方が低くなる場合もある。ゲームをプレイしたばかりは快適に動作していたが、しばらくすると動作が重くなった、といった経験をした人もいると思うが、これがその原因だ。
今度はグラフィックス性能を計測する3DMarkを、これまでと同じように連続で実施し、その性能をチェックしてみた。

Razer Edge Wi-Fiに採用されたSoC、Snapdragon G3x Gen1は、ゲーミングの端末向けと謳っているが、3DMarkの結果を見る限り、ハイエンドなスマホに採用されているSnapdragon 8 Gen 1以上には劣るという結果になった。
Wild LifeのROG Phone 6の計測結果は、最大スコアを超えるMaxd Out!になっているので、結果いずれもROG Phone 6が最も高い性能を示し、次いでXperia 5 IVとなっている。しかしながら、Xperia 5 IVは普段から筆者も感じているように、連続して2回目からスコアを落としたが、ROG Phone 6とRazer Edge Wi-Fiは、ほぼ横ばいのスコアを示していた。
そのため、Razer Edge Wi-FiはCPU性能に依存するゲームなどであれば、ゲームの安定度はXperia 5 IVに勝る可能性を感じた。
ストレージの速度は「Cross Platgform Disk Test」で測定。ストレージの速度は、キャッシュが溜まると速くなる。スマホでゲームをプレイする場合、外出先で何度か画面を閉じては再起動といった使い方も想定するので、1回目の計測結果は捨てて2回目以降で3回計測した平均値を採用している。

ここでは、連続してデータを読み込んだ時の速度(シーケンシャルリード)が最も速いのがXperia 5 IVで、次いでRazer Edge Wi-Fiという結果になった。ROG Phone 6は書き込み(ライト)速度も読み込み速度と同じくらい速く、安定した性能を発揮しているといった印象だ。
いずれも公称スペックではUFS3.1のはずだが、SoCの影響や熱源との距離による影響か、ややバラつきが出たのが面白い。ストレージの性能は、たとえばゲームだと家の中から外に出る際の移動時間(ゲームの作りにもよる)、ホーム画面から別のシーンに切り替わる時の時間などに影響する。
ちょうど計測に良いゲームシーンがあれば、今後測定に使うかもしれないが、今回は割愛する。おそらく比較すれば数秒の差が出る、といったところだろう。